「ここの地域は水が美味しい」、「この水は美味しくない」という話を聞くことがあります。

もちろん、味覚の話になりますので人によって好き嫌いが分かれるのですが、実は一般的に人が美味しく感じる成分があることをご存知ですか?

水には様々な性質、成分が含まれています。
どういった性質や成分であれば人が美味しいと感じるのか、美味しい水とはどういった水なのかを解説します。

飲んでいる水は酸性?? アルカリ性?? 水のph値をチェック!

物質には様々な性質があり、その中のひとつに「ph(ペーハー)値」というものがあります。
その物質がどの程度酸性、もしくはアルカリ性であるかを示す値です。

中性を基準としてph値を7とし、それよりも数字が低ければ酸性、数字が高ければアルカリ性となります。

日本の水道水のph値は大体5.8から8.6程度、ミネラルウォーターは5.0から9.0くらいとなっています。
どちらも酸性もあればアルカリ性もあります。

人が飲んで美味しいと感じると言われている水のph値は、人の体液に近ければ美味しいとされています。
人の体液のph値はおよそ7.3から7.4なので、弱アルカリ性です。

そのため人の体液に近いph値である弱アルカリ性の水の方が、美味しいと感じる方が多いでしょう。

水に含まれるミネラル分も非常に重要な要素!

水には少なからずミネラル成分が入っています。
水に含まれているミネラルとは、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウムなどを指します。

ミネラルが多く含まれていると身体に良いとは言われますが、過剰摂取をすると身体に負担がかかることもあるので、ミネラルの摂りすぎには注意が必要です。

水に対して言われる「硬水」「軟水」というのは水の「硬度」のことで、ミネラルの一種であるカルシウムとマグネシウムが含まれている量で決まります。水1Lの中に、カルシウムとマグネシウムが120mg未満であれば軟水、120ml以上であれば硬水と定義されています。
市販されている海外のミネラルウォーターはほとんどが硬水にあたります。

ミネラルの保有量と硬度は、水の味に非常に影響します。
日本の水自体軟水であることから、日本人は一般的に軟水が口に合うとされています。
ミネラルが少ない=硬度が低いとクセがなく飲みやすい水と感じ、ミネラルが多い=硬度が高いと喉越しが重く感じる場合もあります。

和食などの料理には癖のない軟水を、スポーツなどで汗をかいた場合の水分補給時は、ミネラル成分が多く含まれた硬水を飲むなど、シーンによって使い分けると良いでしょう。

まとめ

ここでは、phとミネラルが味に影響していると解説しましたが、水の味を決める要素は他にもあります。

厚生労働省が出している美味しい水の条件には、遊離酵素(溶け込んでいる炭酸ガスや酸素の量)、過マンガン酸カリウム消費量(有機物量)、臭気度(水についている臭い)、残留塩素(塩素がどれだけ残っているか)、水温、などがあります。
これだけの多くの要素によって水の美味しさが決まるのです。

硬度、ミネラル、phに関しては人によっての好みが分かれますが、どのような水でも、適材適所で利用するということが非常に大事になるのではないでしょうか。

水の種類を知り、暮らしの中で上手に水を使いこなしていきたいですね。