「水」は私たちの生命・生活維持に欠かせないものです。そのため、水は常に飲食や入浴、洗濯など日常生活のシーンと共に語られることが多いですが、実は発電、娯楽、農業、芸術など想像以上に活用ジャンルが多い天然資源でもあります。
たとえば水が使われている嗜好品「水たばこ」もその一つですが、最近、この水たばこが主に首都圏の一部で流行しているのをご存知でしょうか?

そこで今回は、今流行りの水たばこの特徴や魅力、デメリットについてご紹介します。

今流行りの嗜好品「水たばこ」とは?

水たばことは、水を使用する中近東発祥の喫煙具の一種です。水をためる壺とパイプ、管、たばこの葉をいぶす火皿から構成される縦長の形状で、煙を一度水の中にくぐらせてから吸うタイプの大型喫煙具に分類されます。
発明時期は定かではありませんが、16世紀または17世紀頃にはインドやアフリカにも広がり、これらの地域では一般的な喫煙方法となっていたようです。

水たばこ本体には所々に中東・アジア圏のエスニック風の美しい細工が施されていることが多く、大変目を引きます。そのため、映画や写真集、SNSの投稿画像などで見かけたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
以前は中東料理店などで提供されることが多かったようですが、最近では専門店が数多く出店されており、男女問わず人気を集めています。

しかし、水たばこが一般的ではない日本でなぜ流行しているのでしょうか?その理由は水たばこの特徴にありました。

水たばこの魅力は「味」と「香り」にあり

水たばこは歴とした「たばこ」であり、ニコチンとタールも含まれています。それにもかかわらず、健康志向ブーム最中でありながら人気を集めているのには次のような理由があります。

味がまろやか

たばこの煙が水の中をくぐる際、実は少量のニコチンが水に溶けています。そのため、口に入るときにはニコチンの量が軽減されており、これによって味がまろやかになるのです。つまり、水がフィルターの役割を果たしてくれていることになります。
なお、この水の働きを利用した携帯用水たばこも販売されており、これに紙巻きたばこを取り付けて吸っても味がまろやかになります。
このほか、紙巻きたばこのように直接たばこの葉を燃やすのではなく、蒸し焼きにすることも味がまろやかになる理由の一つと言えるでしょう。

嫌なにおいが付きにくい

水たばこで使用するたばこの葉は、においの元となる有害物質があらかじめある程度洗い流されている上、フルーツやお菓子のシロップで何かしらの味付けがされているため、喫煙中・後もたばこ独特の嫌なにおいが髪や服に付きにくいというメリットがあります。

喫煙中は「甘い雲」を食べているかのような感覚に

前述の通り、水たばこ用の葉はシロップで味付けされていることが多いため、喫煙中はまるで「甘い雲」を食べているかのような感覚になります。
「たばこは苦い・辛い」といったイメージを持っている方や非喫煙者の方でも最初からすんなりと受け入れられることが多いのは、このような「美味しい煙」が大きな要因でしょう。

コーラ味やバブルガム味などフレーバーの種類が豊富

水たばこの味は「フレーバー」と呼ばれ、その種類は数百以上もあるといわれています。
定番のアップル、ミント、チェリー、レモンなどのフルーツ系フレーバーをはじめ、バブルガム、コーラ、チーズケーキなどのスイーツ系のフレーバーもあり、色々と試せるのも楽しいですね。

大人限定の嗜好品である「水たばこ」はデメリットも

大人限定の嗜好品である水たばこはデメリットも
煙の美味しさゆえに非喫煙者の方でも無理なく吸えてしまう水たばこ。しかし、そんな水たばこにも次のようなデメリットがあります。

水たばこはニコチンとタールを含む

前述の通り、水たばこで使用するたばこの葉にはニコチン・タールが入っています。たしかに紙巻きたばこよりは量が少なくなっているものの、有害性や依存性を持つことに変わりはありません。当然未成年の喫煙も禁止されています。
また、喘息などの呼吸器系疾患がある方は症状が悪化する恐れがあるため控えた方が無難でしょう。
一部の商品にはニコチンフリーのものもありますが、この場合でも未成年者や呼吸器疾患を抱える方にはおすすめできません。

長時間吸い続けると体調不良になることも

水たばこの煙は吸いやすいため、つい休憩を挟まずに長時間吸い続けてしまうことがあります。そうすると新鮮な空気が体に入らなくなるため、酸欠状態となって頭痛やめまいが起きてしまうことも。水たばこを吸うときは軽く飲食するなどして適宜休憩する必要があります。

喫煙前の準備に手間がかかる

水たばこを楽しむには各種グッズを用意するのはもちろん、炭の着火やたばこの葉のセット、喫煙スペースの確保などの様々なプロセスを踏まなければなりません。
また、水たばこのグッズを買い揃えるのも一般的な店舗では難しく、やはり自宅で楽しむにはある程度の手間がかかってしまいます。そのため、いつでも気軽に楽しめる喫煙スタイルとは言い難いかもしれません。

まとめ

今流行りの水たばこの特徴や魅力、デメリットについてご紹介しました。
人類は水を活用することによって発展し、高度な文化を形成してきた長い歴史がありますが、たばこのような嗜好品にも利用されていたことに驚かれる方も多いのではないでしょうか。
水が持つ可能性はまだまだ無限であり、今後も世界をあっと言わせるような活用法が誕生するかもしれませんね。