水は私たちの生活に欠かせない天然資源であり、だからこそ大切に使って常に節水を心がけたいものです。
しかし、具体的にどのように節水すれば良いのか迷ってしまったり、それほど水を大量に使っているわけではないのにもかかわらず、水道料金の請求書を見て腑に落ちない思いをしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで今回は、ご家庭で手軽に使用できる便利な節水アイテムをご紹介します。

「1人1日あたりの水道使用量」はどれくらい?

日本は諸外国と比べて降水量が多く、水資源が大変豊富な国です。また、高度な上下水道施設が全国的に整備されていることもあり、日本人は水を非常に多く使う傾向があります。

そのため、日本人が海外で生活する際、現地で「水を使い過ぎ」「無駄が多い」などと注意される事例も少なくありません。
それもそのはず、日本では1人1日あたりの水道使用量が約200~300リットルにも及ぶといわれています。1リットルのペットボトル数百本がずらりと並ぶ光景を想像してみると、いかに多くの水を使っているのかがよくわかるのではないでしょうか。
この「200~300リットル」は特別な事情がない場合、毎日必ず必要になる水の量ではありません。つまり、この数字は水の使い過ぎの結果なのです。

一方で、水は朝から夜まで様々な生活シーンで使用するため、どこから、どのように節水すれば良いのか迷うこともあるでしょう。
そこで、まずは水を使う場面を想定した上で、それぞれの水道使用量に合わせた節水対策をするのが得策です。

比較的水を多く使う場面として挙げられるのはやはりお風呂、トイレ、洗濯、炊事、洗面ですが、多くの場合は水の使用量もこの順番通りになります。
こうした点を理解した上で便利なアイテムを使いながら上手に節水できれば、水道料金を月1000円~2000円カットすることも不可能ではありません。

まずはお風呂とトイレの用途別節水アイテムを活用してみよう!

お風呂とトイレは、健康と清潔な住環境を維持するために不可欠な設備なので、ある程度多くの水を使うのは仕方がないでしょう。それでも、次のような浴室・トイレ向けの節水アイテムを取り入れれば大変効率的に節水でき、水道料金もある程度抑えられるようになります。

節水シャワーヘッド

栓を開けている限りお湯が出続けるシャワーには、節水シャワーヘッドの取り付けが効果的です。製品のなかには水の使用量を今までの半分近くにまで減らせるものもあるので、相当な節水効果が期待できますね。
また、取り付けも簡単にできる場合が多いので、「手軽に節水したい」という方にはおすすめです。
なお、節水シャワーヘッドは水を多く使用しない分、水圧が高くなるよう設計されているため、洗浄力は落ちないのでご安心を。

お風呂ブザー

お風呂ブザーは、浴槽のお湯がセットした水位になるとブザー音で教えてくれるアイテムです。自動お湯張り機能がない浴槽の場合はうっかりお湯をため過ぎてしまうことがありますが、お風呂ブザーはそういった事態を防いでくれるので、浴槽からお湯があふれ出て水を無駄にすることがありません。

お風呂保温器または保温シート

お風呂保温器は、お風呂のお湯が冷めないように保温してくれるアイテムです。これを利用すれば追い焚きする必要がなくなるため、節水効果が期待できます。
特に同居人数が多く、かつ帰宅・入浴時間にバラつきがあるご家庭では誰かが入浴する度に追い焚きせずに済むのでおすすめです。
保温形式には電気ヒーター式や保温効果の高い素材を電子レンジで温めるタイプなどいくつか種類があるので、お風呂の利用状況を総合的に考慮した上で選んでみてはいかがでしょうか。

なお、保温器以外では、浴槽の上にかぶせてお湯が冷めるのを防ぐ保温シートも節水アイテムとして優秀です。

トイレ用節水器

トイレ用節水器は、トイレのタンク内にある排水弁の上に乗せるタイプの節水アイテムです。
これを利用することで排水口(トイレ洗浄の水が流れる部分)が素早く閉じるので、トイレを流す際の水の無駄使いが減ります。

洗濯・炊事での節水対策も効果大!

お風呂やトイレのほか、洗濯や炊事・食器洗いの際にも相当量の水が使われているので、節水を徹底したい場合は洗濯・キッチン周りで次のような節水アイテムを使うのも手です。

お風呂ポンプ

お風呂ポンプは、お風呂の残り湯を洗濯機へ汲み上げてくれるアイテムです。浴槽にためられる水の量は200リットルほどですから、残り湯を洗濯に再利用すれば大きな節水効果が期待できます。
お風呂ポンプには手動タイプと電動タイプがありますが、手間をかけたくない場合は電動タイプがおすすめです。

台所用洗い桶

洗い桶にためた水に使用済み食器をつけておけば汚れが落ちやすくなり、結果的に節水につながります。食器のつけおきは簡単にできることなので、今まで節水対策をしたことがない方はここから始めてみるのも良いでしょう。

台所用節水シャワーヘッド

浴室の節水シャワーヘッドと同じく、台所用の節水シャワーヘッドも販売されています。取り付けも簡単なので、炊事の頻度が高いご家庭にはおすすめです。

節水型洗濯機・食洗器

食洗器(食器洗い乾燥機)は節水効果が高いことで知られています。台所に食洗器を設置するスペースがあれば、取り入れてみるのもよいでしょう。
また、洗濯頻度が高いご家庭であれば、洗濯機を節水機能が高いものに買い替えてみるのも良いですね。

水の無駄使い、こんな点にも気を付けよう!

水の無駄使い、こんな点にも気を付けよう
節水アイテムは多く出回っており、その多くは購入したその日から手軽に節水対策ができます。しかし、節水アイテムを利用するだけではなく、次に挙げる点についても留意しながら節水を心がけることが大切です。

水を出しっぱなしにしない

入浴や手洗い、歯みがきの際は水を出しっぱなしにしないようにしましょう。
洗顔や手洗いのときに1分間水を出しっぱなしにするだけでも約12リットルの水が無駄に使われてしまいます。(東京都水道局ホームページより)

トイレの大小レバーは使い分ける

トイレのレバーやボタンに「大小」の区分がある場合はトイレの使用状況に合わせてキチンと使い分けをしましょう。トイレは1回の流しで5~8リットルほどの水を使うため、こうした使い分けが節水につながるのです。
また、少ない水の量できれいに流せる節水型トイレも販売されているので、便器の買い替えやリフォームを検討している方はこのような節水型トイレを選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

泡切れの良い洗剤・二度洗い不要の洗剤を使う

洗い流しに時間のかかる洗剤には多くの水が必要になります。最近では泡切れの良い洗剤や二度洗い不要の洗剤が多く出回っているので、節水対策の一環として使用するのもおすすめです。

まとめ

手軽に使用できる便利な節水アイテムについてご紹介しました。
水は人間の生命・生活の維持に欠かせない天然資源ですが、残念ながら有限です。水を後世に残して地球と人間が長く共存していくためにも、水の大切さを理解し、普段から節水に努めるようにしましょう。

今回ご紹介した節水アイテムの利用は「小さい一歩」のようにみえますが、積み重なれば水資源の確保・自然環境の保護に大きく貢献できるはずです。