私たち日本人にとって、日々の食事に欠かせないものと言えば、「お米」です。
炊きたてのご飯が放つ香りは、なんとも言えず食欲をそそるもの。「ご飯とご飯のお供さえあれば満足できる!」という方も多いのかもしれませんね。

お米をおいしく炊き上げるために、欠かせないのが水ではないでしょうか。
そこで今回は、知っているようで意外と知らない、お米を炊く際の水のポイントについて解説します。

おいしいご飯を炊きたい!水の種類は何を選ぶ?

おいしいご飯を炊くためには、まず水の種類からこだわってみましょう。
ひと言で水と言っても、その種類はさまざまです。
どの水を選ぶのかによって、焚きあがったご飯の味や香りは変わってきます。

お米を炊くのに適した水の条件は、「軟水であること」と「無味無臭であること」です。
軟水というのは、硬度の低い水のこと。
カルシウムやマグネシウムといったミネラル分が比較的少ないため、口当たりがまろやかで飲みやすいという特徴があります。
水道水を含め、日本で一般的に入手しやすいのは軟水ですから、お米を炊くのに適しているといえるでしょう。
ちなみに、ミネラル分が多い硬水を使用すると水分がお米の内部に浸透しづらくなります。
ふっくらとした食感に仕上げるのが難しくなってしまうでしょう。

また、水の味や香りも重要なポイントになります。
硬度の面からはお米を炊くのに適している水道水ですが、カルキ臭が気になってしまう可能性も。
そのため「一度煮沸する」「汲み置きしておく」などといった方法で、カルキ抜きをしてから使用するのがオススメです。カルキの味や臭いが、そのままお米に移るのを防いでくれるでしょう。

「毎日の食事作りのことだから、それほど手間はかけていられない」という場合は、ミネラルウォーターや浄水器を通した水を使用するのがオススメです。
ミネラルウォーターを選ぶ際には、硬度に注意してみてください。国産の水であればほぼ軟水ですが、海外産のものには硬水が多く見られます。お米を炊くための水は、国産の軟水を選択するのがオススメです。

お米を炊くのにベストな水の量は?

お米を炊く際に、重要なポイントになるのが水の量です。
どれだけおいしいお米と水を使っていても、両者のバランスを間違えれば、理想の仕上がりにはならないでしょう。
水が多すぎるとベチャベチャした食感に。
反対に少なすぎると、お米に芯が残った仕上がりになってしまいます。

炊飯器でお米を炊く場合、お釜の内部に水の量を示す線が記されていますから、こちらに合わせて炊くのがオススメです。
計量カップでお米を量るときには、すりきりを使って正確な量をすくいとりましょう。
お米の計量を適当にすると、内側のラインに合わせて水を入れても炊き上がりがいまいちになってしまう恐れがあります。

炊飯器以外でお米を炊くときには、お米の量に対して1.1倍~1.2倍程度で水の量を調整すると良いでしょう。
たとえば、お米1合を炊く場合の水の量は200ccが基本です。
硬めのご飯が好きな方は180cc程度、柔らかめのご飯が好きな方は230cc程度までで調整してみてください。
お米の量を2合、3合と増やす場合、水の量も2倍、3倍…といった要領で増やしていけばOKです。

お米の種類によってもベストな水の量は変わる!

お米の種類によってもベストな水の量は変わる
近年、お米の種類も多様化しています。先ほどご紹介した水の量は一般的な白米の場合です。
お米の種類や状態によってもベストな水の量は変わってきますから、注意してください。

新米の場合

毎年秋に出回る新米は、鮮度が良く一般的なお米に比べて水分量が多いという特徴があります。このため、普段通りの水加減で炊くといつもよりも柔らかめに仕上がりがちです。
新米を炊く際の水加減は、いつもよりも気持ち少なめを意識すると良いでしょう。
ただし、新米にもさまざまな種類があり、実際の水分量はお米の種類によっても異なるもの。やや少なめから、少しずつ調整していくのがオススメです。

古米の場合

古米の場合は新米とは逆で、お米に含まれる水分量が少なくなります。普段通りの水加減で炊くと、パサついてしまう恐れがあるでしょう。
普段よりもやや多め、お米の量に対して1.2~1.3倍程度を意識するのがオススメです。

無洗米の場合

いちいちお米を研ぐ手間がない無洗米は、忙しい現代人にとって強い味方。加工段階で、あらかじめぬかが取り除かれているという特徴があります。
このため、同じ1合でも一般的な白米よりも多くなるという点を頭に入れておきましょう。
こちらの場合も普段よりやや多め、お米の量に対して水の量を1.2~1.3倍程度に調整するとおいしく炊き上げられます。

玄米の場合

玄米の特徴は水を含むまでに時間がかかるという点です。このため、白米よりも多くの水で炊き上げる必要があるでしょう。
オススメの水の量は、お米の量に対して1.7倍程度です。炊く前に数時間かけてしっかりと浸水させることで、さらにおいしく仕上げられます。

もち米の場合

もち米の場合、お米と同量の水で炊き上げるのがオススメです。
もち米には、白米よりも多くの水溶性食物繊維が含まれており、炊いたときに水と同じような役割を果たしてくれます。
水の量を多くし過ぎると、ネバネバというよりもベタベタとした仕上がりになってしまいますから、注意してください。

毎日のご飯は水の工夫でもっとおいしく!

日々何気なく口にしているご飯ですが、おいしく炊けるようになれば、食事はもっと楽しくなるでしょう。
ご飯をおいしくするため、お米の質や種類にこだわる方は多いはずです。ぜひ水の種類や量にもこだわってみてください。普段のお米が、さらにおいしくなりそうですね。