世界には「水の都」と呼ばれる都市がいくつかあります。海、運河、河川、水路などが街並みに大きな影響を与え、経済にも大きな役割を果たしている都市のことです。
今回は、世界各地の「水の都」と呼ばれる都市をご紹介します。

世界で有名な水の都10選

1.ヴェネチア(イタリア)

イタリアのヴェネチアは、「世界で最も有名な水の都」といわれています。
イタリア北東部に位置し、アドリア海に面していることから「アドリア海の女王」とも呼ばれます。
150以上の運河と400以上の橋があり中世には「ヴェネチア共和国」として栄え、現在でも当時の建物が色濃く残り、見どころが数え切れないほどある人気の高い観光地の一つです。

市内の道路はすべて水路であるため、移動には水上バスか水上タクシーが利用され、観光では昔ながらの手漕ぎボートやゴンドラを利用することもできます。
ヴェネチアでは、川沿いや運河を眺められるホテルは料金が高い傾向がありますが、宿泊すれば一生の思い出になることでしょう。
ただし、冬場の高潮で街全体が水浸しになる「アックア・アルタ」の季節があり、注意が必要です。

2.アムステルダム(オランダ)

オランダの首都、アムステルダムには運河が張り巡らされており、「アムステルダムのシンゲル運河内の17世紀の環状運河地区」は世界遺産に登録されています。
13世紀にアムステル川の河口に造られたダムが起源で、16世紀には世界有数の貿易都市として発展し、街には川が流れ、いたるところに橋が架けられています。
家々がかわいらしく、運河に映る絶景も魅力的で、湖に浮かぶ舟形の家々やホテルなど、水の都としての魅力にあふれた街です。

オランダは、アムステルダムだけでなく、少し足を伸ばせばユトレヒト、ライデン、デルフトなどの水の都もあり、週末になるとヨーロッパから来た人たちで騒がしい街になります。
そのため、もし静かな田舎町が良い場合は他の都市を訪れてみると良いでしょう。

3.ストックホルム(スウェーデン)

スウェーデンの首都ストックホルムは、北欧一の人口を誇り、湖に浮かぶ14の島と50以上の橋からなる街で、面積の約30%が運河で占められています。
中世にはハンザ同盟を通じた交易で栄え、現北欧を代表する大都市です。
街には北欧らしいおしゃれな建物が並び、カラフルな石畳の道が中世の面影を残しています。
映画「魔女の宅急便」のモデルになったともいわれていて、ノーベル賞の授賞式が行われる市庁舎やノーベル博物館は、有名な観光スポットとなっています。

4.蘇州(中国)

蘇州は江蘇省の中心都市で、上海と杭州の間に位置し、経済都市として栄え、「アジアの水の都」と呼ばれています。
世界遺産に登録されている「九品亭」や「水門の歴史地区」が見どころです。
太湖と長江に挟まれ、市内には運河が流れていて、旧市街と水郷の組み合わせが美しく、遊覧船での観光がおすすめです。
上海から蘇州まではバスで約3時間、新幹線でわずか30分で行けるため、蘇州の観光と上海の旅行を組み合わせるのもよいでしょう。

5.ブルージュ(ベルギー)

ブルージュはベルギー北西部に位置する都市ですが、ブルージュの名前は、街中に張り巡らされた運河にかかる数々の「橋」に由来しています。
中世の街並みがそのまま残されていることから、「屋根のない美術館」とも呼ばれていて街全体が世界遺産に登録されています。

6.ガンビエ(ベナン)

ガンビエはベナン主要の都市コトヌーに存在する、ノコウエ湖に浮かぶアフリカ最大の水上都市で、多くの観光客が訪れています。
現在の住民は数万人程度で、ほとんどが漁業に従事しています。

7.淡水(台湾)

淡水は、台湾最大の都市である台北の北部に位置し、美しい夕日で知られる港町です。
西洋の影響を強く受けている街で、西洋風の古城をはじめとする建築物が多くみられます。
海鮮料理店や淡水グルメが豊富に揃っている淡水老街(ダンシュイ・ラオジエ)は、古くからショッピングやグルメの街として知られています。

8.フォートローダデール(アメリカ)

フロリダ州南部の主要都市マイアミから北に位置するフォートローダデールは、大西洋のビーチから内陸部へと流れる水路に豪華な別荘が立ち並ぶ人気のリゾート地です。
運河沿いの建物のほとんどが富裕層の冬の別荘であり、行き交う船の多くがプライベートやレジャー用のヨットやクルーザーであることが特徴で、多くの高級ホテルが立ち並んでいます。

9.レシーフェ (ブラジル)

ブラジル北東部に位置するレシーフェは、どこまでも続くビーチが有名です。
半島や島が多く、運河や川が縦横無尽に流れていて、レシーフェという名前は、市の海岸線を取り囲むサンゴ礁に由来しています。
世界遺産に登録されているオリンダ歴史地区や、ランドマークであるマルコ・ゼロ広場などが見どころです。

10.伊根町(日本)

日本にも水の都は数多く存在しますが、その中でも魅力的な街は、京都府の丹後半島に位置する「京都府与謝郡伊根町」です。
静かな内湾にある伝統的な漁師町で、「伊根の舟屋」と呼ばれる、船小屋に住居を合わせた伝統的な建物が並ぶ景観は、近年特に釣り人たちの人気を集めています。
「日本で一番海に近い町」として、多くの観光客が訪れ、日本三景のひとつである天橋立が近くにあり、密集しすぎず楽しく癒されるスポットとして人気が出ています。

気になる世界の「水の都」を訪れてみよう!

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普段、ビルの立ち並ぶ街で過ごしていて「自然の中でのんびり過ごしたい」と思っている方には、景色が美しく夜景もロマンチックな水の都はぴったりな観光スポットです。
水には視覚や聴覚をリラックスさせる効果があるといわれていますので、日常の疲れを癒すために世界の水の都をぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?