supportポンプの基礎知識
自吸式と非自吸式ポンプ(渦巻きの呼び水)の原理・仕組み・構造
自吸式と非自吸式ポンプ
晋通のうず巻ポンプ等では、運転に先だっていわゆる呼び水を行い、ポンプと吸込管から空気を抜いて、水を満水させる必要があります。
1.自吸式ポンプ
自吸式ポンプでは運転前にポンプにだけ呼び水をすれば、運転が始まるとポンプ自身の力で吸込管の空気を排出し、揚水出来るポンプです。
2.非自吸式(普通)のポンプ
非自吸式のポンプは吸上仕様の場合、吸込配管の先にフート弁を付け、吸込配管とポンプに水を満水させ揚水するポンプです。
3.自吸式ポンプの特徴
- わずらわしい呼び水作業をしなくても済む
- 揚水中多少の空気が混入してもエアーロックが起きにくい。(大水量の場合)
- フート弁、サクションユニット等を使用しなくても済む
4.なぜ、自吸することが出来るか?
ポンプ内に注水して始動しますと、羽根車内の水は遠心力によりとばされ、吐出側に移動し、羽根車内部は空気だけの状態になります。吐出側に移動した水の一部を羽根車、あるいはポリュートに戻し、羽根車内の空気と混合させ、空気を気泡状にしてポンプ内の水の流れに乗せて吐出側に運びます。
この作用を連続的に繰り返すことにより、吸込管内の空気は徐々に拝出され、吸込管内は順次大気圧(Pa)より低い圧カ(P s)になります。吸水面には大気圧が作用していますので、水はこの圧力差により吸水管内に流れ、吸水管内の水面は徐々に上昇しポンプまで達します。
このようにして自吸がなされるわけです。
要点
自吸は下の3つの作用の繰り返しによって行われます。
- 泡立作用:羽根車で水と空気を混合します。
- 分離作用:空気分離室(デリベリケーシング)内で空気と分離し空気だけ外部へ排出します。
- 戻し作用:水のみ羽根車へ戻します
自吸式ポンプの構造の特徴
- 吸込口は羽根車より高くなっていて、呼び水が運転を停止したときでも、常に羽根車内の半分以上を水でみたすようになっています。
- 吸込口にはチェック弁がついていて、停止したときに吸水管のサイホン現象によって、ポンプ室内の水が水源へ落ちていかないようにしてあります。
- 羽根車から吐出される空気と水とを、効果的に分離する空気分離室または分離仕切があります。
5.自吸時間について
自吸完了に要する時間は、同一吸上げ高さであっても、配管径が大きくなればそれだけ長くなり、また横引き長さが長くなればその分だけ長くなります。
一般にポンプ吸込口径と同一径の配管を行った場合、自吸完了に要する時間は機種により異なりますが、配管長さ1mにつき1 分ぐらいです。一般の自吸式ポンプはポンプ内保有水量を考慮すると自吸時間は10分以内が限度です。
自吸時間を10分以内に限定した場合、吸上高さと横引き長さの関係は概略下表のようになります。
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