生活用水の中でもトイレの使用量率は約22%と言われていますので、かなりの部分を占めています。
近年、洗浄に必要な水の量を大幅に抑えた「節水型トイレ」が一般に浸透してきました。
今まで以上に使用水量の減少が期待される節水型トイレは、節水の救世主になるのでしょうか?
その特徴について探ってみることにしましょう。

節水型トイレの特徴

旧式型のトイレの場合、大洗浄1回当たりおよそ13リットルもの水が使われていました。500mlのペットボトル26本分の水が1度に流れていたと思うと、ものすごい量の水が使われていたことが想像できるかと思います。

その点、節水型トイレなら4.8リットルと約3分の1の使用水量と、大幅な節水を実現しています。最新式モデルでは使用水量3.8リットルと、旧式型トイレの4分の1で済むタイプもあり、その節水効果には驚かされるばかりです。

現在、ほとんどのメーカーの節水型トイレでは、便器内を水が渦を巻くように流れる洗浄方法を採用しています。この方法を取り入れることにより、水の勢いだけに頼らずより少ない水の量で効率的に洗い流すことが可能になりました。
また、節水型トイレは汚れがつきにくく、汚れがついても落ちやすいように表面が加工されているものが多いことも特徴と言えます。

節水型トイレのメリット

それでは、節水型トイレを利用するメリットにはどんなものがあるのでしょうか?
最大のメリットは、もちろん「節水できる」という点です。
節水によって水道料金を節約することもできますし、限りある資源である水の使用量を減らすことで環境への貢献もできます。

そして、従来のトイレは便器のフチから水が下に流れ落ちる構造でした。このフチの裏部分に水垢やカビが発生しやすく、掃除で苦労された経験のある方も多いのではないでしょうか。
その点、節水型トイレはフチのない形状のため、お掃除やお手入れがとても簡単に行うことができます。
お掃除やお手入れがラクになることで、時間の節約にもつながります。

節水型トイレのデメリット

節水もできてお手入れも楽な節水型トイレにも、実はデメリットがあります。
節水型トイレは使用する水の量が大幅に少ないため、大量にトイレットペーパーを流してしまうと、詰まりの原因になってしまうことがあるのです。
従来のトイレでは大量の水を使っていたのでそれほど問題にならなかったのですが、節水型トイレの場合は注意が必要です。

また、排水管が長く傾斜がゆるやかな場合にも、水の量が足りなくて詰まりが発生してしまう可能性もあります。

これらの理由から、節水型トイレによる水の節約にもある程度の限界はあると言えそうです。
しかし、従来のトイレに比べて水の使用量を大幅に削減することができる節水型トイレは、現在の快適な生活環境を維持しながら、水を守る暮らしを行うためには欠かすことのできないアイテムと言っても過言ではないかもしれません。