災害はいつどこで発生してもおかしくなく、特に自然災害の場合は予防するのはとても難しいものです。
しかし、事前に準備を整えておくのとおかないのとでは、被災後の生活が大きく変わります。

そこで、各家庭で必ず用意しておきたいのが「備蓄水」です。
備蓄水はどれだけ用意しておけば良いのか、また、選ぶ際や保管する際はどのような点に注意すれば良いのかなどについて、わかりやすく解説します。

用意する備蓄水の量の目安は「1人当たり9リットル」

備蓄水を用意する上でまず頭に入れておきたいのが、水の必要量です。
一般的に大規模災害が発生した際の目安として、各家庭で「災害後3日分」の水や食料を備蓄しておくことが推奨されています。

1日に大人1人当たりが必要とする水の量は約3リットルで、内訳は、飲料用に2リットル、調理用に1リットルと計算されています。
つまり、大人1人分の備蓄水の目安は「9リットル」ということになります。
仮に4人家族であれば、36リットルの水を用意しておく必要があるということです。

備蓄水と賞味期限について

備蓄水は、ペットボトル入りのミネラルウォーターで用意するのが一般的な方法です。
注意点としては、ミネラルウォーターの賞味期限は意外と短く、数ヶ月から1年程度ですので、定期的に賞味期限を確認し、切れる前に入れ換えるのが理想的です。

近年は、賞味期限を3~5年と長めに設定した備蓄専用のミネラルウォーターもあるため、こまめに入れ替えるのが面倒な場合は、このような商品も上手に活用するのがおすすめです。
ただ、通常のミネラルウォーターも賞味期限が切れたからといってすぐに飲めなくなるわけではありません。
製造段階でしっかりと殺菌処理され、適切に管理されたミネラルウォーターなら、保管中に腐るという可能性は非常に低いです。
そのため、賞味期限を切れたからといってすぐに処分したりする必要はありません。

ミネラルウォーターに賞味期限が設定されているのは、その品質ではなく内容量に問題が生じる可能性があるためです。
ペットボトル内の水は、時間の経過と共にどうしても蒸発してしまうのです。
水の内容量が減り過ぎると、その商品は計量法違反と判断されかねません。
メーカー側がミネラルウォーターに賞味期限を設定しているのは、このような問題が起きないようにするためです。

とはいうものの、保管期間が長くなればなるほど劣化や臭い移りといった問題も生じないわけではありません。
「いざ災害が起きたときには、もう使えなかった!」なんてことにならないよう、やはり定期的に入れ替えるのがベストでしょう。

保管場所を選ぶ際の2つのポイント

長く保管する備蓄水は品質を保つため、また備蓄水としての役割を果たすためには、保管場所にも工夫するようにして下さい。具体的に工夫するのは以下の2点です。

直射日光・高温多湿は避けよう

ペットボトルのミネラルウォーターは、なるべく直射日光を避け、高温多湿にならない環境を選んで保管するようにしましょう。
キッチンの戸棚の中やパントリーの中、納戸やクローゼットの中はおすすめの保管場所です。
ただし普段は使わない備蓄水をあまり奥へとしまいこむと、賞味期限や状態のチェックを忘れる恐れがあり、適度に交換することが難しくなってしまいます。
直射日光や高温多湿は避けつつ、手が届きやすい場所を選択するのが良いでしょう。

保管場所は分散させよう

もう一点忘れてはいけないのが「保管場所を1ヶ所だけに限定しない」ということです。
災害の怖いところは、自宅内でも何が起きるか分からない点です。
災害発生時のために確保しておく備蓄水を1ヶ所に限定してまとめてしまうと「いざという時に取り出せなかった」「全部がだめになってしまった」ということにもなりかねません。

保管場所を分けるなら、例えば半分はキッチン、もう半分はクローゼットなどと分けておけば、災害時のリスクは分散できるでしょう。
もし自宅外に倉庫を所有していたり、レンタルスペースを契約していたりするなら、ぜひそちらも活用してみてください。

災害時にも便利なウォーターサーバーと井戸

備蓄が大切だとわかっていても、いちいちペットボトルを購入し、管理するのは面倒だな…と感じる方も多いのではないでしょうか?

このような方におすすめなのが「ウォーターサーバー」です。
ウォーターサーバーは大きなボトルが定期的に送られてきてそれを使用するため、ストックがあればたとえ水道が使えなくなっても一定量の飲み水を確保することができます。
比較的賞味期限切れになりにくいという点もウォーターサーバーの水の大きなメリットで、飲む水と備蓄する水をローリングストックで管理することができます。
ウォーターサーバーをレンタル契約すれば、基本的に水は送料がかからずに業者が配達してくれるため、重いペットボトルを運ばなくて済むという点も嬉しいポイントです。

もう一つ、自宅への導入を検討してもらいたいのが「井戸」です。
備蓄水の目安は大人1人あたり9リットルとお伝えしましたが、こちらはあくまでも飲料用と調理用のみです。
トイレや洗顔といった、生活用水は含まれていません。
もし自宅に井戸ポンプがあれば、水道が使えなくなっても生活用水を確保することができるので、かなりのリスク回避になります。
ただし、電動の井戸ポンプは使用する際には電力が必要になるため、停電すると井戸も使えなくなってしまうというリスクがあるのは頭に入れておいてください。

いざというときのためにできることから始めよう!

いざというときのためにできることから始めよう!
冒頭でも述べましたが、災害は本当にいつどこで発生するかわかりません。
だからこそ事前の準備が大切なのですが、災害発生後に私たちが生き延びるために欠かせないものの一つが「水」です。
ご家庭の備蓄水の必要量をあらかじめ把握しておき、必要な分を事前にしっかりと準備しておきましょう。