建物の解体時、まれに建物の下から古井戸が発見されることがあるそうです。
井戸が発見された場合はそのまま撤去するのではなく、お祓いを行なってから撤去作業を行うことが多いそうです。

また、家庭で井戸を設置することになり、井戸掘りの工事を行う場合もお祓いをした方がよいといわれています。

なぜ井戸の撤去や井戸掘り工事をする前に、お祓いをした方がよいのでしょうか?
今回は、井戸にまつわる日本の祈祷とお祓いの文化についてご紹介いたします。

井戸掘り前のご挨拶?! 日本の祈祷とお祓い文化

日本では、古来より身の回りのあらゆるものに神様が宿っていると信じられていました。

「八百万(やおろず)の神」ともいわれ、事あるごとに神様を頼って祈祷やお祓いの儀式を行ってきました。祈祷やお祓いをしているところを一度はテレビなどで見たことがある方は多いのではないでしょうか。

神様への祈祷・お祓いの儀式は、現在も文化として我々日本人の生活の中に定着しています。
例えば、お正月には一年の繁栄を祈って神社へ初詣に足を運びます。特に厄年に当たってしまった場合、厄除けのお守りを購入する習慣は、多くの方が経験する最も身近なお祓いといえるでしょう。

また家を新しく建てる際に、その土地の神様の許しを得て、工事が安全に行えるように祈り、家族の繁栄を願う「地鎮祭(じちんさい)」は今でもよく行われている祈祷・お祓いの儀式です。

「地鎮祭」と同様に、井戸掘り工事も水脈に向けて穴を掘り、今までの土地の姿に手を加える前に、最初に土地の神様の許しを得るために儀式を行う必要があると考えられています。

井戸には水の神様が宿っている?!


井戸掘り工事のほかに、古井戸撤去の際にもお祓いをするのはなぜなのでしょうか。

井戸の中には、水の神様や霊が宿っていると古くから伝えられており、「よい水をいつまでも安心して飲めるように」と祈願することで、水の神様や霊が井戸水を守ってくれていると信じられていました。

古井戸撤去にあたり、これまで水を守ってくれていた水の神様や霊に、これまでの感謝もなく突然井戸を埋め、閉じ込めてしまうのは失礼で罰当たりな行為に当たると考えられています。

お祓いをせずに工事をした後に、工事関係者や井戸の持ち主が病気や事故に遭ったという話が昔から実際に聞かれているため、古井戸撤去の際もお祓いをするべきとの考えが定着したと言えるでしょう。

お祓いは誰に頼めばいいの?

お祓いは神社の神主さんや、お寺の僧侶にお願いするのが一般的ですが、お祓いには科学的な根拠はありません。絶対にお祓いをしなくてはならないというわけではありませんし、行わないという方もいらっしゃいます。

しかし、井戸工事の無事や、家族の今後の繁栄を祈願する意味でもお祓いは行うことをおすすめします。
工事後に後悔しないためにも、事前に家族や業者としっかり話し合っておきましょう。

なお、お祓いには数万円の費用がかかるため、行なうかどうか悩んでいる方は、工事を依頼した業者に相談してみてはいかがでしょうか。これまでの豊富な経験から、よいアドバイスがもらえるはずです。

現在、井戸を構えていて撤去する予定はない方も、改めて感謝の気持ちを持って井戸を利用してみてはいかがでしょうか。
井戸に宿る水の神様が、何かよいことを起こしてくれるかもしれませんよ。