行楽シーズンには人気観光スポットとして多くの人々が訪れる全国各地の湖。
なかでも、日本最大の面積を誇る湖といえば滋賀県の琵琶湖が有名ですが、水が透き通った「透明度」が高いといわれる湖は何処かご存知でしょうか?

透明度とは主に海や湖沼、プールなどで水の濁り方を示すために使われる指標であり、船の上から白い円盤を沈めて白色が判別できなくなる深さを測定したときの値です。
透明度が高いほど水が澄んでいて、まるで鏡のように美しい湖面を見ることができます。

そこで今回は、澄んだ水面が楽しめる透明度の高い日本の湖を5つご紹介します!

1.摩周湖(北海道)

北海道川上郡弟子屈町にある摩周湖は、日本で最も透明度が高い湖で知られており、世界でもロシアのバイカル湖に次いで第2位を誇ります。
2001年には北海道遺産に選定され、吸い込まれそうなほどの深く美しい青色の湖面は「摩周ブルー」と呼ばれています。

摩周湖はアイヌ語では「カムイトー(神の湖)」といい、火山の活動によって発生した大きな窪地に水が溜まってできたカルデラ湖です。
透明度の高さに加えて最大水深は約212mにのぼり、急激に深くなっていることから青以外の光の反射が少なく、風のない日はより一層青が引き立ちます。

周囲は300~400mほどの絶壁に囲まれているため湖面に下りることはできませんが、3ヶ所の展望台から絶景を楽しむことができます。年間約50万人以上が訪れる人気観光地です。

2.倶多楽湖(北海道)

北海道白老郡白老町にある倶多楽湖(クッタラ湖)は、直径約3km、周囲約8kmの火山の噴火によってできた丸いカルデラ湖です。
活火山「倶多楽」の一部となっており、日本では摩周湖に次いで透明度が高い美しい湖として知られています。
環境省が発表する「公共用水域水質測定結果」では水質の湖沼部門で毎年上位に挙げられ、2001年には全国1位となりました。

倶多楽湖はアイヌ語の「クッタラシ・トー(クッタルシの湖)」に名前をあてたとされ、「クッタラシ」は現在の虎杖浜(北海道白老町にある地名)を指します。
湖としては小さいながらもその透明度の高さで「神秘的な湖」と呼ばれるコバルトブルーの美しい湖面は圧巻です。
また、日本一丸い湖といわれており、川による水の出入りがないのも特徴で、行楽シーズンにはボートやカヌーなどで様々なアウトドアが楽しめます。

3.蔦七沼・赤沼(青森県)

青森県十和田市にある蔦七沼は、蔦沼、鏡沼、月沼、長沼、瓢箪沼、菅沼、赤沼の7つの沼の総称です。
赤沼は他の沼から北側に離れており、6つの沼を巡る遊歩道からは外れるため訪れる人も少なく、まるで秘境にいるかのような隠れた名沼として知られています。赤倉岳の山体崩壊によって生まれた堰止湖(土砂流などが流れ込んで川が堰き止められることでできる湖)です。
環境省の湖沼水質調査によると、赤沼の水の透明度は18.2mと本州では1位、全国では北海道の摩周湖と倶多楽湖に次いで第3位を誇ります。

また、赤沼の水深は18.2mで透明度も18.2mであり、これは底が見えるということですので実際の水の透明度はさらに高いといわれています。
周辺はブナの原生林で囲われているので行楽シーズンの自然散策にピッタリのスポットです。

4.支笏湖(北海道)

支笏湖
北海道千歳市にある支笏湖(しこつこ)は、約4万年前に支笏火山の噴火によって発生した陥没地に水が溜まってできたカルデラ湖です。
同じく北海道の摩周湖や倶多楽湖とともに水が澄んだ透明度が高い湖として知られ、水質も環境省の湖沼水質調査で何度も日本一と評価されています。
太陽光に照らされると輝く透き通った青色は「支笏ブルー」と呼ばれるほどの透明度と水質を誇る湖です。

また、支笏湖は最深部363mと国内では秋田県の田尻湖に次ぐ水深で、日本最北の不凍湖(寒冷地でありながら凍結することがない湖)としても有名なスポットです。名前の由来はアイヌ語で「シ・コッ(大きな窪地)」が語源になっているといわれています。
湖周辺も人の手が入っていない雄大な自然が広がっており、四季折々の景色が楽しめます。

5.菅沼(群馬県)

群馬県利根郡片品村にある菅沼は、「日本百景」、「新日本観光地百選」、「21世紀に残したい日本の自然100選」に選ばれている湖沼です。
日光の白根山の溶岩によって誕生した堰止湖であり、清水沼、弁天沼、北岐沼の大きく3つの湖に分かれています。
最大深度は75mで、水深が深くなるにつれてエメラルドグリーンから藍色へと変化する水の透明度は本州一といわれています。

また、湖面は標高1,730mの場所にあるため夏でも過ごしやすく、菅沼のほとりにあるキャンプ場は多くの人で賑わう人気スポットです。フィッシングやカヌー体験など、自然を満喫できるアクテビティが楽しめます。

湖にお出かけの際は「透明度」もチェックしてみよう!

今回ご紹介した透明度の高い日本の湖5つのうち、3つが北海道の湖でいずれも日本でトップクラスの透明度を誇るスポットです。
このほかにも北海道は特に透明度が高い湖が多いことから、雄大な自然が広がる北海道の湖沼がいかに貴重なものであるかお分りいただけたのではないでしょうか?
もちろん北海道以外のエリアでも透明度が高い、まるで鏡のように美しい湖面が楽しめるスポットが青森県や群馬県をはじめ各地に点在していますので、お出かけの際は湖の透明度もチェックしてみると新たな発見があるかもしれませんよ。