暑い日が続く夏場は、熱中症を予防するために扇風機やクーラーが欠かせません。そんな中、日本の伝統的な習慣である「打ち水(水撒き)」が暑さ対策に効果的な方法として近年再注目されていることをご存知でしょうか?
地面に水を撒く打ち水は、クーラーなどに比べて環境面への影響が少ない点が見直されており、全国各地で打ち水を推奨するイベントも開催されています。
そこで今回は、夏の暑さに効果的な打ち水の方法や、朝か夜かなど行なう最適なタイミングなどについてご紹介します。
打ち水(水撒き)を行なうと涼しくなる理由
まずは、打ち水を行なうと涼しくなる理由について見ていきましょう。
打ち水によって地面に水が撒かれると、「気化熱」によって水は地面の熱を奪いながら蒸発します。すると、水が撒かれた周りの温度が下がって涼しく感じられるようになります。
また、地面から上昇した水蒸気を含んで冷たくなった空気が涼しい風となる効果や、地面に直接水を撒くことで表面温度を下げる効果が得られます。
さらに、地面が水で濡れているという視覚効果によってヒンヤリと冷たく感じられるようになります。
このように、打ち水で地面を水で濡らすとさまざまな涼しい効果が得られます。
打ち水(水撒き)が最も効果的な時間・場所とは?
打ち水は暑さ対策にさまざまな効果があることが分かりましたが、効率よく涼しく感じられるためにはどのように水を撒けばよいのでしょうか?
打ち水は朝か夕方に行なう
打ち水は気温が上がり始める朝か、日が落ちて気温が下がり始める夕方に行なうようにすると効果的に涼しく感じられるようになります。
比較的気温が低い時間帯に水を撒くことで、ゆっくり水が蒸発して効果が長持ちするためです。
日中の暑さや夜の寝苦しさを少しでも和らげるために、打ち水は朝と夕方に行なうのがオススメです。
水はなるべく日陰に撒く
打ち水を行なうときは、なるべく日陰に水を撒くようにしましょう。
日陰に水を撒くことで、ゆっくり蒸発させて効果を長持ちさせるだけでなく、日向との温度差によってそよ風が生まれ涼しく感じられます。
また、芝生や花壇、植物の植え込みには熱を吸収して周囲の温度を下げる働きがありますので、水を撒いておくとさらなる効果が期待できます。
そのほかにも、日よけに使用しているすだれなどを水で少し湿らせておくだけでも涼しく感じられる効果が得られます。
マンションやアパートのベランダにも打ち水(水撒き)がオススメ
マンションやアパートの場合でも、夏の暑い日はベランダに溜まった熱気が室内に入り温度が上がりやすくなるため、打ち水がオススメです。
ただし、ベランダで打ち水をするときは日が当たる場所ではなく、植物の下など日陰に水を撒くようにしましょう。ベランダの多くがコンクリートで作られているため熱が溜まりやすく、日が当たる場所に水を撒いてもすぐに蒸発して効果があまり得られないためです。
また、打ち水は夕方の気温が下がった時間帯に行なうようにしましょう。夕方に水を撒くことで日中ベランダに溜まった熱が冷えて、夜の暑さが和らぎ快適に過ごすことができます。
まとめ
夏の暑さに効果的な打ち水の方法についてご紹介しました。
打ち水は水道の水を新たに使う必要はなく、お風呂の残り湯などの生活用水が無駄なく役立ちますので、経済的にもお得に暑さ対策をすることができます。また、水道代を気にせず使える井戸水との相性も抜群です。
打ち水を行なう際は、今回ご紹介した方法を参考にして夏の暑い日々を乗り切りましょう!