古くから生活用水として利用され、近年は防災用としても見直されてきている「井戸」。
井戸がなぜ「井戸」と呼ばれるようになったのか? 語源などをご存知の方はあまりいないのではないでしょうか。

今回は「井戸」の語源や、他の国での井戸の呼び方と意味をご紹介いたします。

日本語の「井戸」の語源

まずは、日本語の「井戸」の語源をご紹介します。

井戸の「井」は「居る」と同じ意味とされており、「座る」「動かないでいる」「留まる」「滞在する」「居つく」などの意味があります。
そして「戸」には「出入口」「両岸が迫って、水の流れの出入り口となるところ」「扉」などの意味があります。

つまり井戸という言葉は、「水が止まっている場所の入り口」という意味であるととらえられます。

さらに昔は、現在のような形の井戸だけではなく、川などの水汲み場のことも井戸と呼んでいました。川の水汲み場も井戸と呼ばれていたことに違和感を感じられるかもしれませんが、「水が留まっている場所」ととらえるのであれば、あながち間違った表現ではないのではないでしょうか。

ほかの国での井戸の呼び方と意味

日本以外の国では、井戸はなんと呼ばれているのでしょうか?

英語では井戸=well

井戸は英語では「well」といいます。
wellには、英語の動詞として「湧き出る」「噴き出す」という意味があり、さらに「良い」という意味もあります。

wellは古英語の「wel」が語源になっており、「wel」には「to wish(願う)」という意味があります。

もしかしたら大切な水が湧き出る場所で幸せに暮らしていきたいという「願い」が込められていたのかもしれませんね。

スペイン語では「pozo」

スペイン語の場合、井戸に当たる言葉は「pozo」になります。

スペイン語の「pozo」は、井戸だけでなく「深み」「窪み」「淵」などさまざまなものを示します。そして、その中には「掘削する」という意味もあります。

先ほどご紹介した、英語の「well」には「湧き出る」という自然現象的な意味があるのに対して、スペイン語の「pozo」には「掘削する」という人工的な意味があるのが対照的で面白いですね。

中国語では「井」

中国で井戸は「井」と呼ばれています。

中国語の「井」には、井戸の意味以外に「人が集まっている地域や村」という意味もあります。

また日本でも、井戸の事を井と言い換えることは珍しくありません。
日本語は中国語から多大な影響を受けていると言われていますが、その影響が井戸という漢字からも感じられます。

このように井戸の呼び方や込められた意味は国によって異なりますが、井戸は昔から人々にとって大切な水の源であり、井戸や川沿いなどの水が留まっている場所を中心に人が集まり文明が発展してきた歴史は、各国共通であると言えるのではないでしょうか。

まとめ


各国の言語での井戸の語源や呼び方をご紹介いたしました。

井戸の語源や意味をほかの言語でも知ることで、それぞれの国の井戸に対する考え方や、人々の水に対する願いが垣間見られたのではないでしょうか。昔から井戸は人と共に存在していたのは、どこの国でも同じだったのでしょうね。

なお、ご紹介した言葉の語源は諸説あり、それらを調べてみていただくのも面白いかもしれません。
使うための「井戸」ではなく、言葉としての「井戸」と親しくなってみるのも悪くないかもしれませんよ。