旅行などで自然豊かな観光地を訪れた際に、地表から出る湧き水を見たことがある方は多いのではないでしょうか?
湧き水を汲んで、飲むところを想像しただけでも涼しげでおいしそうではありますが、安全性に本当に問題はないのか気になってしまいますよね。

そこで今回は、湧き水の安全性や名所といわれるスポットについてご紹介します。

湧き水とは? 地下水との違い

湧き水とは、山や森林に降った雨や雪が地面に染み込み、いくつもの地層のなかでろ過されることによってできた水のことをいいます。ろ過された水の多くが地下水として流れていきますが、そのなかから自然に地表から溢れ出てきた水を湧き水と呼んでいます。
そのため、実は地下水との大きな違いはなく、地表から湧き出ているかどうかで呼び名が変わります。

また、一般的にスーパーやコンビニなどで市販されているミネラルウォーターは地下水を水源としていますが、一方で河川や湧き水などの飲用可能な地表水を水源としている製品は「ボトルドウォーター」として販売されています。

湧き水を飲むときの注意点

湧き水は、観光スポットなどで名物となっているものは地域の自治体で水質検査を定期的に行なっている場合もありますが、飲用する際は基本的に各自の判断で自己責任となります。自然に湧き出た水ですので、スポットによっては水道水のように日頃から水質が整備されて、必ずしも安全性が確保されているわけではないという点を念頭に置く必要があります。

そのため、特に普段から多くの人が訪れるスポットではなく、知る人ぞ知るような山奥などの湧き水は誤って飲むと体に悪影響を及ぼす恐れもありますので、事前に管理している地域の自治体などに問い合わせるか、ホームページがある場合はそちらも必ず確認しておきましょう。
また、しっかりと水質検査が行われている場合であっても、なんらかの原因によって状況が変化する可能性もありますので、飲用した際に少しでも味などに違和感があった場合はすぐに飲むのをやめて、体調に変化はないか様子を見るようにしてください。

湧き水の名所は全国各地にある!

湧き水の名所は全国各地にある!
ここでは、実際に湧き水の名所とされているスポットの一部を挙げていきますので、旅行などを計画する際にぜひ参考にしてみてください。

安曇野わさび田湧水群公園(長野県)

長野県の安曇野わさび田湧水群公園は、環境省から名水百選に選ばれ、国土交通省からは水の郷に認定されているスポットです。
北アルプスの雪解け水が湧き出しており、宿泊施設やレストランなどが集まる「安曇野の里」では水を飲んだり持ち帰ったりすることも可能です。

池山水源(熊本県)

熊本県の池山水源は環境省から名水百選に選ばれており、樹齢200年以上といわれている巨木に囲まれた水源は毎分30トンにもなる水が湧き出るとされています。そして、ここから出た湧き水は大野川へと合流し、別府湾へと運ばれていきます。また、池山水源の中央部には水神様が祀られています。

大雪旭岳源水(北海道)

北海道の大雪旭岳源水も名水百選に選ばれており、ペットボトル飲料として商品化もされている湧き水です。大雪山の自然が創り上げた雪解け水として知られており、現地の取水場では自由に水を汲み取ることが可能です。

垣花樋川(沖縄県)

沖縄県の垣花樋川は名水百選にも選ばれている日本最南端の湧き水スポットです。周辺にはのどかな水田が広がり、石畳の坂道を進んでいくとうっそうと生い茂った木々のなかに湧き水が出ているのが見えてきます。垣花樋川の湧き水は古くから地元民に親しまれており、現在でも生活用水や飲料水として活用されています。

そのほかにも、湧き水の名所とされているスポットは全国各地に数多く点在していますので、ぜひお近くの名所を訪れてみてください。
また、湧き水は日頃から観光スポットとして多くの人が訪れ、名所とされている場所では自治体によって定期的に水質検査が行われている場合も多いですが、飲用を考えている方は可能かどうか必ず現地の案内などで注意事項を確認しましょう。

まとめ

湧き水の安全性や名所といわれるスポットについてご紹介しました。豊かな自然から地表に出た湧き水は、水道水などとは一味違ったおいしさが楽しめる一方で、安全性には十分注意が必要なことがお分かりいただけたことと思います。
今回ご紹介したポイントを参考にして、湧き水を口にする前には必ず注意事項などをよく確認するようにしてくださいね。