世の中には様々な物質があります。
その中でも水は非常に身近な物質で、人が生きていく上でなくてはならないものです。
みなさん何気なく扱っている水ですが、実は非常に不思議な物質であることをご存知ですか?
ここでは水に関する不思議をいくつか紹介いたします。
水は固体にすると体積が増える珍しい性質がある
通常、物体は冷やすと体積が減り、温めると体積が増えます。
わかりやすく説明すると、熱を持つと分子の運動が活発になり、分子同士の隙間が増えます。
隙間が発生する分、体積が増えていくのです。
ビンの蓋などが開かない時、温めると開けやすくなりますよね?
これはビンや蓋の体積が増えて隙間ができるためです。
逆に、冷やすと分子の運動は少なくなります。
分子同士の隙間が減ることで、体積も減ってしまいます。
結果、瓶と蓋の隙間が減るため開けにくくなるのです。
このように、他の物質は温めると体積が増え、冷やすと体積が減るのが通常です。
しかし水の場合、冷やして氷になると体積が増えます。
北国で水道の凍結が起こると、水道管が破裂するのはこれが原因です。
わかりやすく説明をすると、水(液体)の状態では分子同士の隙間が少なく体積も少ないのに対し、氷(固体)になると分子同士の隙間が増え、体積も増えるのです。
水のように氷(固体)になると逆に体積が増えるという性質は非常に稀で、水以外の物質ではまずありえません。
水とお湯を同時に冷やすとお湯の方が先に凍る
「温度」というものは、熱エネルギーによって決まります。
温めるという行為は熱エネルギーを取り入れること、冷やすという行為は熱エネルギーを放出するということです。
水とお湯を比べれば、お湯の方が熱エネルギーが多いと言えます。
そのため、水とお湯を同時に冷凍庫に入れた場合、普通に考えれば水の方が熱エネルギーが少ないためお湯よりも先に凍ると思われるかと思います。
しかし、驚くことに実際はお湯の方が先に凍るのです。
これは、1963年にタンザニアに住む学生が発見した現象で、「ムペンバ効果」と呼ばれています。
実際にはもっと前から発見されていましたが、テレビで放送され有名になったことによりこのように呼ばれております。
この現象はいくつかの仮説で説明されていますが、はっきりと科学で解明されていない、水に関する不思議な現象です。
水の過冷却状態
水は、基本的に0℃を下回ると固体である氷に変わります。
しかし、純水に近い水を凍らす、もしくは水をゆっくりと均一に冷やすと、0℃を下回っても液体のままであることがあります。
この状態を「過冷却状態」と呼びます。
液体である水が、固体である氷に変化するためには、核となる微少の氷の結晶が必要です。
核ができるには、きっかけとなる水以外の不純物や少しのエネルギーが必要となります。
純水やゆっくり均一に冷やされた水は、このエネルギーが得られず、液体から固体に変わる温度である0℃(凝固点)を下回っても氷に変化せずに、水の状態を保つことができるのです。
「過冷却状態」の水に衝撃を与えたり、わずかな氷のカケラを入れると、瞬く間に氷に変わっていく面白い現象を見ることができます。
まとめ
人が生活をする上で不可欠な「水」ついての不思議をご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか?
こんなにも身近な存在であるにも関わらず、知らなかったという方も多いのではないでしょうか。
生活の中のちょっとした豆知識として参考にしてみてください。