毎日の暮らしの中で生活排水として処理される水の中には、再利用が可能なものがあります。

最も日常的な再利用方法として、お風呂の残り湯を洗濯に使っている方は多いのではないでしょうか。お風呂の残り湯以外にも、安全に再利用することが可能な生活排水があるならば、できるだけ利用して水を節約したいですよね。

日本人が大好きなお米をとぐ際に出る「とぎ汁」も、日常で簡単に再利用ができることをご存知でしょうか?
今回は「お米のとぎ汁」の有効な利用方法をご紹介します。

お米のとぎ汁は栄養たっぷり! 洗浄成分も

お米のとぎ汁には様々な栄養成分が含まれています。ビタミンやミネラル、セラミドなど肌に有効な成分も豊富に含まれているため、昔から石鹸や化粧水などにも利用されてきました。

お米のとぎ汁の白い部分には「γブログリン」と呼ばれる天然の界面活性剤が含まれています。天然由来の優しい洗浄剤として利用することができるため、現在のようにベビー向けの石鹸が普及する前には、赤ちゃんの入浴・洗浄にも使われていました。
今でもお米のとぎ汁を洗顔やボディ用石鹸として利用している方もいます。

お米のとぎ汁を洗顔に使う際には、2回目以降のとぎ汁を使いましょう。
最初にとぎ汁の上澄み部分を捨てて、トロミの部分を約2倍に薄めます。その後、顔を軽くマッサージするように使い、最後にぬるま湯で丁寧にすすぎます。
ボディ用石鹸として使う場合も洗顔時と同様に使います。

お米のとぎ汁が洗剤としても活用できる!


お米のとぎ汁に含まれる界面活性剤「γブログリン」の洗浄効果を利用して、洗剤がわりにさまざまなシーンで利用することも出来ます。

お米のとぎ汁には油分が含まれているため、とぎ汁でフローリングの床を磨くとワックス効果でピカピカになります。
また、お風呂掃除で使うと湯垢がキレイになると評判ですので、試してみてはいかがでしょうか。

床掃除やお風呂掃除に利用されるときには、スプレー式の容器にお米のとぎ汁を入れて使うと便利です。食器洗剤として利用することもでき、つけ置き洗いが最も洗浄効果を発揮するといわれています。

お米のとぎ汁で掃除する際は手肌に安心してお使いいただけますが、掃除する場所や素材によってはシミになったり変色する可能性もゼロではありません。お使いいただく前に、目立たないところで少量試し拭きをして、問題ないことを確認してから使ってください。

お米のとぎ汁で野菜のあく抜きや下茹でにも

お米のとぎ汁は野菜のあく抜きや、下茹でにも利用することが出来ます。

あくが出やすいタケノコやゼンマイなどの山菜は、お米のとぎ汁を使って茹でることで簡単にあく抜きをすることが可能です。重曹や米ぬかをわざわざ買う必要もないので節約にもなり、とても便利です。

下茹でが必要な人参や大根などにお米のとぎ汁を使うのもお勧めです。大根は苦味が取れてまろやかになり、人参は甘みが増してさらに美味しくなるそうです。

節水にもなるお米のとぎ汁を活用しよう

お米のとぎ汁は色々な場面で有効活用することが出来ますので、試してみてはいかがでしょうか。いずれの場合も、最初のとぎ汁はホコリや汚れが混じっていることがありますので、2回目以降のとぎ汁を利用しましょう。

手肌にも環境にも優しく、節水にもなってお財布にも優しいお米のとぎ汁。これからは捨てずにぜひ再利用してみてくださいね。