食卓の必須アイテムといえば、お皿やコップをはじめとする食器です。
そして食器を使う以上、付随して発生するのが「食器洗い」であり、そこには必ず水を使用する場面があります。
つまり、自宅で食事すればその後は一定時間を食器洗いに費やすことになるわけですが、このとき使われる水の量は1回で数十リットルにも及ぶことをご存知でしょうか?

もし、お風呂やトイレで節水しているにもかかわらず水道代に変化がない場合は、毎日行う食器洗いの場面で無駄な水が使われている可能性があります。
そこで今回は、節水できる食器の洗い方と便利な台所の節水アイテムについてご紹介します。

1回の食器洗いで使う水の量はどのくらい?

食器洗いは基本的に水をたくさん使う家事の一つです。何気なく食器を洗っているときにはそれほど大量の水を使っているとは意識されにくいですが、実は1回5分、水を流しっぱなしにして食器を洗うと、約60リットルもの水が使われるのです。(東京都水道局HPより)

5分でこの水量ですから、これ以上時間がかかることが予想される4人以上の世帯であれば、夕食後の後片付けに80リットルを超える水を使っていてもおかしくはありません。
1リットルのペットボトルが80本ずらりと並ぶ光景を想像すると、食器洗いがいかに水を使う家事であることがお分かりいただけるのではないでしょうか。
そして同時に、この食器洗いの場面で何らかの工夫をすれば、効果的に節水できることも明らかです。

節水できる食器の洗い方

それでは、どのように食器を洗えば節水できるのか、次に具体的な洗い方をみていきましょう。
ポイントは洗う際の手順。食器に汚れがべったりついたまま洗いの工程に入らないように心がければ使う洗剤の量も減らせますし、それに比例して使う水の量も減ります。

1.汚れを軽く拭き取る

食器についている汚れをキッチンペーパーや新聞紙で軽く拭きましょう。
お皿の上のソースや油、カップの縁についた口紅などは力を入れなくてもすぐに落とせます。

2.食器をぬるま湯につけて「つけ置き」する

汚れの拭き取りが一通り終わったら食器を洗い桶の中に置き、35~40度のぬるま湯を洗い桶の中にたっぷり入れて、食器をつけ置きしましょう。
時間は15~20分が目安です。長時間のつけ置きは雑菌が繁殖する原因となるので注意してください。

なお、本来であれば、汚れの性質別につけ置きする水の温度を変えるのが最適な方法です。
たとえば、油汚れであれば少し熱めのお湯がベスト。しかし、卵や魚などのタンパク質の汚れの場合は熱いお湯を使うと凝固してしまい、食器や調理器具に汚れがこびりついてしまいます。
そのため、汚れ落ちを重視する場合は汚れの性質別に水の温度を変えるのが望ましいですが、節水を重視する場合は35~40度のぬるま湯で一緒につけ置きして構いません。

3.泡切れの良い洗剤を使って食器を洗う

汚れがぬるま湯で柔らかくなってきたところで、洗剤とスポンジを使った洗いの工程に入ります。最初は軽い汚れのものから洗いましょう。
すすぎは後でまとめて行います。
また、使用する洗剤は泡切れの良いものを選ぶと、すすぎに時間がかからず便利です。おすすめは汚れ落ちも泡切れも良い、泡で出てくるタイプや石鹸を主成分とするタイプ。

4.お湯ですすぐ

洗剤とスポンジで汚れを落とした後はすすぎます。すすぎのときはつけ置き洗いのときより高めのお湯(40度以上)を使うと効率良くすっきりすすげます。
洗った食器の真上ですすぐと、お湯がかかって泡切れがよくなるので意識してみましょう。

節水を極めるなら便利な節水アイテムを使ってみよう!

節水を極めるなら便利な節水アイテムを使ってみよう
上記で手順通りに食器洗いするだけでも十分節水効果を狙えますが、次のようなアイテムを使うとより効率的に節水できます。

洗剤不要のスポンジやふきん

最近では洗剤を使わなくても汚れが落ちるスポンジや洗い用ふきんが発売されています。洗剤を使わない分、すすぎに時間がかからないので高い節水効果が期待できるでしょう。
気になる方はバラエティーショップや生活雑貨を扱うオンラインショップで探してみてはいかがでしょうか。
ただし、生のお肉やお魚に触れたものは洗剤を使って洗うようにしましょう。

節水シャワーヘッド

台所の蛇口に節水タイプのシャワーヘッドを取り付けるのも手。
製品によっては50%以上節水できるものがあるので、水仕事が多いファミリー世帯には特におすすめです。

まな板シート

生のお肉やお魚を切った後のまな板で、連続して野菜や果物を切ることは衛生上、ご法度です。
そのため、切る順番を逆にするか、面倒でもお肉やお魚を切った後はまな板を丁寧に洗ってから他のものを切らなければなりません。
しかし、まな板に直接食材を触れさせない「まな板シート」を使えば洗う手間が省けるので節水効果が期待できます。
また、まな板についたタンパク質汚れはなかなか頑固なので、「まな板の汚れと格闘したくない!」という方にもおすすめです。

食洗機

食洗機は効率的に節水できるアイテムの一つです。食洗機を使えば、食器洗い1回あたりの水道代を約半分に抑えられますし、ガス代も節約できます。
時短アイテムとしても大変優秀なので、共働きのご家庭は積極的に導入を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

節水できる食器の洗い方と便利な台所の節水アイテムについてご紹介しました。
食器洗いは汚れを落とすことに意識が集中するため、水を大量に使っていることに気づきにくいものです。
しかし、掃除や料理なども含めると、台所で使う水は想像以上に多いことがわかりますし、蛇口をひねる頻度が浴室より多いことを考えても、やはり台所は大きな節水ポイントなのです。
水道代の請求書を見るたびに「こんなに使ったかな?」と首を傾げている方は、今日から食器洗いをはじめとする台所の水仕事のやり方をもう一度、見直してみてはいかがでしょうか。