日本ではほとんどの地域で水道の水をそのまま飲むことができます。
一方で、水道水を安心して飲めて使える国は限られており、どこの国であれば安全に飲むことができるのかご存知ないという方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、水道水を飲むことができる国についてご紹介します。

水道水が安全に飲める国は世界に数ヶ国ほど

世界には196の国がありますが、現在では各国の水道はまだまだ未発達であり、水道を使用できる国は少なく、その上飲めるとなるとほんの10ヶ国前後になります。
「前後」のようにアバウトなのは、国土交通省などの調査結果が、その年によって変わるためです。

また、米国疾病対策予防センター(CDC)の基準では、水道水が安全だとされている国が、国土交通省よりも多いです。
これは審査基準が異なるためで、米国疾病予防管理センターが病気の観点から判断しているのに対し、国土交通省は「日本人が飲んでも安全な水」という基準にしています。

その基準の違いから考えると、海外旅行に行く時などは国土交通省の調査を参考にすると良いでしょう。

安心して水道水が飲める国は?

ここでは、水道水が安心して飲める国を地域別にご紹介します。

アジア

アジアで水道水を飲むことができる国は日本だけでしたが、最近ではアラブ首長国連邦(UAE)でも飲めるようになりました。
しかし、まだ安全とは言い切れず、地元住民以外はミネラルウォーターを購入していることが多いです。
貯水タンクの衛生面などに問題が残っており、安全性が確保されていないからだとされています。
ちなみに、アラブ首長国連邦は年間を通して空気が乾燥しており、降水量も多くないため、海水から水道水をつくっています。

ヨーロッパ

ヨーロッパは水道のインフラがかなり整備されており、世界の中でも水道水が飲める国が最も多い地域です。
その理由は、国土の面積が小さく資金も豊富なためインフラ整備が整っており、また観光地が多いため水に対する意識も高いからだとされています。

・アイスランド
・アイルランド
・オーストリア
・スウェーデン(都市部)
・スロベニア(都市部)
・ドイツ
・フィンランド

上記の国では水道水を飲むことができるとされていて、特に自然環境の良いアイスランドは、水道水の質が世界一だともいわれています。
ただ、スウェーデンやスロベニアは地域によって水質が異なり、スウェーデンはストックホルム、スロベニアはリュブリャナなどの都市部のみに限られます。
他にも、飲むのには適していませんが、スペインやイギリスなど、水道が整備されている国は多くあります。

オセアニア

オセアニアで水道水を飲めるのは、オーストラリアとニュージーランドの2ヶ国です。
オーストラリアの場合、首都であるキャンベラやシドニーなどの都市部の水道水の質は高いのですが、それ以外の地域は注意が必要です。
また、オーストラリアは水不足になることが多いため、売られているミネラルウォーターは高価なので、訪れる際は事前に用意していくと良いでしょう。
ニュージーランドの水道水は日本と同じく軟水で安全性も高いのですが、日本とは異なり「フッ素」が含まれているため、味も少し違います。
水道水にフッ素を含めているのは虫歯の発生率を下げるためです。

アフリカ

現時点ではアフリカで水道水をそのまま飲める国は、南アフリカ共和国のみです。水道が整備されている国は他にも数ヶ国ありますが、飲むのには適していません。
南アフリカ共和国の水道水も地域によって水質に差があり、農村部などは都市部と違って安全性が保証されていないので、注意が必要です。
また、水を売っていない地域もあるので、訪問する前に調べておきましょう。

北アメリカ

アメリカでは300 項目にも及ぶ水質基準があり、問題があれば毎年基準が改定されるため、安心安全な水道水を飲むことができます。
アメリカの「安全飲料水法」は国内のすべての公共水道に適用されるため、安全性の地域差はほとんどありません。
ただ、硬水と軟水の違いや味には地域差があり、個人の好みもあるため、ミネラルウォーターを購入して飲んでいる人も多いようです。
また、隣国のカナダも水道水を飲むことができます。

なお、中央アメリカに位置するコスタリカ、ニカラグア、パナマは注意は必要ですが、水道水を飲むことが可能とされています。
それぞれ国の大きさが日本の領土と同じくらいで、海に面していることがその理由のようです。
そして南アメリカには安心して水道水を利用できる国はないため、旅行の際はミネラルウォーターを購入してください。

日本の水道設備や環境に感謝して資源を大切にしよう

日本の水道設備や環境に感謝して資源を大切にしよう
日本人にとっては水道水が飲めるのは当たり前のことですが、世界的に見るとそのまま飲める国は決して多くありません。
発展途上国では水道自体がないこともありますし、途上国でなくても、水道水が飲めない国がほとんどなのです。

水道水を飲むことができる日本の環境に感謝をしながら、この資源を大切にしていきましょう!