
庭や玄関先で水を使いたいとき、住宅の外部に水栓を設置する方法がありますが、「立水栓」と「散水栓」のどちらを選べばよいのか、メリットやデメリットの違いについては「よく分からない」と感じている方も多いでしょう。
そこで今回は、主に新築外構工事やリフォームを検討している方に向けて、立水栓と散水栓の基本的な違いや、ライフスタイルに合わせた選び方のポイントをご紹介します。水まわりを快適に使いたい方はぜひ参考にしてください。
立水栓と散水栓の基本的な違い
屋外で水を使うための設備としてよく設置されるのが、「立水栓」と「散水栓」です。一見すると同じ役割を持っているように見えますが、それぞれ構造や使い勝手に大きな違いがあります。特徴を理解した上で、ライフスタイルに合ったタイプを選びましょう。
立水栓
立水栓は、地面からパイプが立ち上がる形で蛇口が設置されているタイプの水栓です。「立ち上がり水栓」とも呼ばれています。
蛇口の高さがあるため、バケツやジョウロへの水汲みがしやすく、靴やアウトドア用品を洗うといった幅広い用途に対応できます。また、受け皿(パン)を取り付けるケースも多く、水はねを抑えながら作業しやすい環境をつくれる点が特徴です。
近年では、機能性だけでなくデザイン性に優れた製品も多く、庭のアクセントとして採用されるケースも増えています。
散水栓
散水栓は、地面に埋め込まれたボックスの中に蛇口があるタイプの水栓です。使用時は蓋を開け、ホースを接続して使うケースが一般的となっています。
普段は地面に埋まっているため目立ちにくく、しゃがんで操作する必要がありますが、スペースを取らず庭の景観を損なわない点が大きなメリットといえます。主にガーデニングや洗車など、ホースを使った広範囲の散水作業に向いています。
立水栓のメリット・デメリット
立水栓は、蛇口が地上に設置されているため、腰をかがめずに立ったまま快適に水を使える点が大きなメリットになります。ガーデニングや洗車、ペットの足洗いなど、屋外での様々な作業をスムーズに行えるので、日常生活において非常に便利です。
先述のとおりデザイン性にも優れており、アクセントとして取り入れることで、見た目にもおしゃれな空間を演出できます。最近では、シンプルなステンレス製から木目調など、様々な素材やデザインが用意されており、住宅の雰囲気に合わせたコーディネートが可能です。
一方で、デメリットとしては、デザイン性が高い分、設置費用がやや高くなる傾向があります。また、蛇口や配管部分が外に露出するため、冬場の凍結対策や定期的なメンテナンスも欠かせません。
さらに、スペースをある程度必要とするため、狭い庭や玄関まわりには不向きな場合があります。
散水栓のメリット・デメリット
散水栓は、地面に近い位置に設置されるので、庭や畑、駐車場などでホースを接続して水を使うのに便利な設備です。使わないときはしまっておけるというのが大きなメリットになります。立水栓に比べて設置費用が比較的低いことから、コストパフォーマンスを重視する家庭に適しています。
また、雨風にさらされる心配がないので劣化しにくく、冬場でも凍結による破裂など外的な要因によって破損するケースが少ない点も魅力です。
デメリットとしては、地面に近いため、立ったままでは使いにくいことがあります。長時間使用する場合や、腰をかがめる姿勢が負担になる場合もあるため、高齢者や腰痛がある方には注意が必要です。
さらに、デザイン性がシンプルな分、庭のアクセントとしては物足りなさを感じる方もいらっしゃいます。
ライフスタイルに合わせた選び方のポイント

水を頻繁に使う場合は立水栓がおすすめ
庭全体やガーデニングの範囲が広く、水を頻繁に使う場合は立水栓がおすすめです。立水栓は蛇口の高さがあるため、ホースの接続やバケツの使用がしやすく、庭仕事を効率よく行えます。
設置スペースを最小限に済ませたい場合は散水栓を
庭が小さくスペースを取りたくない場合や、水の使用が限られた場所に限定される場合は散水栓が便利です。散水栓は低い位置に設置され、シンプルな構造で設置費用も抑えやすいため、必要最低限の用途に向いています。庭先や玄関周りで手軽に水を使いたい方にも適しています。
なお、冬季に凍結しやすい地域では、どちらを選ぶ場合でも凍結防止対策や水抜きについて必ず確認しておきましょう。
水仕事をより安全かつ快適に!

立水栓と散水栓は庭の広さや使用目的、生活スタイルに合わせて選ぶのが大切です。環境に合った水栓を選んで、庭や玄関先での水仕事をよりスムーズに楽しみましょう。










