ランニング中の水分補給は、飲む量だけでなく、飲むタイミングや飲み物の種類に気を配る必要があります。
今回は、ランニング中の適切な水分補給の仕方や注意点について解説します。

ランニング中の水分補給のタイミング

水分補給のタイミングは、ランニング前、ランニング中、ランニング後という3つのフェーズに分けましょう。

走り始める前に補給しておくべき理由

スタート前の補給は、いわば「初期充填」です。
体内の水分量が走り出した時点ですでに不足していると、その後の補給でいくら飲んでも追いつかないことがあります。
特に朝のランニングでは注意が必要です。
睡眠中も人間は呼吸や発汗によって水分を失い続けています。
起床直後はすでに軽い脱水状態にあることが多く、そのまま走り始めると序盤から体に負担がかかるのです。
走る前に水分を摂る習慣をつけるだけで、走り出しのコンディションが変わってきます。

走っている最中の理想の摂取間隔

ランニング中の補給は、「渇いたら飲む」ではなく「渇く前に飲む」が基本です。
ただし、飲むタイミングは走る距離やペースによって変わります。
短い距離であれば、走り終わってからまとめて補給しても問題のないケースが多いです。
しかし距離が長くなるにつれて、途中で補給を組み込む必要が出てきます。
一般的には、ある程度の距離や時間を目安に定期的に飲むことが推奨されていますが、気温や湿度、個人の発汗量によってそのタイミングは大きく異なります。

ランニング後の補給を怠ると何が起きるか

走り終わった直後は、見た目以上に体内の水分が失われています。
この状態を放置すると、筋肉の回復が遅れるだけでなく、翌日以降の疲労感の抜けが悪くなる可能性があります。
走り終わった後の補給で重要なのは、水分だけでなく電解質も一緒に補うという視点です。
汗には水だけでなくナトリウムなどのミネラルが含まれているため、水だけを大量に飲んでも体内の電解質バランスが崩れる場合があります。

水分補給の量はどう決める?

水分補給の量はどう決める
水分補給量は個人の体格や発汗量、気温、走るペースなど、複数の要素が絡み合って決まるものです。

体重の変化で補給量を逆算する

最も実践的な補給量の把握方法は、ランニング前後の体重を計測することです。
走り終わった後に体重が減っていれば、その差分がおおむね失った水分量に相当します。
これを参考に、次回のランニングで補給量を調整するという方法は、スポーツ科学の分野でも広く用いられています。
毎回の計測が面倒に感じる人も多いかもしれませんが、最初の数回だけでも試してみると、自分の発汗パターンが把握できるでしょう。

夏と冬では必要な水分量がどれだけ違うか

気温と湿度は、発汗量に直接影響します。
真夏の炎天下では、涼しい季節と比べて同じ距離、同じペースで走っても、失われる水分量が大幅に増え、湿度が高い日は汗が蒸発しにくく、体温調節のためにさらに多くの発汗が促されます。
冬は体感的に汗をかいていないように感じるかもしれませんが、乾燥した空気の中での呼吸だけでもかなりの水分が失われるので注意が必要です。

飲みすぎ(低ナトリウム血症)も危険

水分補給において見落とされがちなリスクが、飲みすぎによる「低ナトリウム血症」です。
これは体内の水分量が過剰になり、血液中のナトリウム濃度が低下する状態で、吐き気や頭痛、混乱、最悪の場合は意識障害を引き起こす危険性があります。
マラソンや長距離トレイルランのような長時間の運動では、特に注意しなければなりません。
低ナトリウム血症を防ぐには、水だけでなく電解質(特にナトリウム)を同時に補給することが重要です。

飲み物の種類は何を選ぶべきか?

水分補給に使う飲み物の最適な選択肢は、運動の種類や強度、時間によって変わります。

短距離、短時間のランには水が向いている

軽いジョギングや短時間のランニングであれば、水が最もシンプルで適切な選択肢です。
失われる電解質の量がそれほど多くないため、スポーツドリンクのような糖分や塩分を追加する必要性は低いといえます。
ただし「短距離だから水だけ」というルールを硬直的に当てはめるより、気温や湿度、体調に合わせて柔軟に判断する姿勢が大切です。

長距離ランではスポーツドリンクが推奨

長時間走り続けると、体内のグリコーゲン(エネルギー源)と電解質が同時に失われていきます。
スポーツドリンクは、糖質と電解質をバランスよく含むよう設計されており、この二つを同時に補えるという点で長距離ランには合理的な選択肢です。
スポーツドリンクの糖質は素早いエネルギー補給にもなり、後半の失速を抑える効果が期待できます。
また、ナトリウムを含んでいるので、体内への水分吸収が促進されるという働きもあります。

タイミングに合った水分補給を心がけよう

タイミングに合った水分補給を心がけよう
ランニング中の水分補給で大切なのは、走る前、走っている最中、走り終えた後で分けることです。起床後の補給、走行中の定期的な摂取、走り終えた後の電解質補給まで、しっかり心がけましょう。