2018年7月、タイの北部の少年達が洞窟内に10日以上も閉じ込められ、奇跡的に全員無事に救出された事故は、多くの方が関心を寄せていたのではないでしょうか。

彼らは最初の3日間は持ち込んでいた食料を分け合っていましたが、その後は水だけで飢えをしのいでいたそうです。
人間は食べものがなくても約3週間は生命を維持することが可能ですが、水分が取れない状況では5日も生きられないと言われています。

今回は、人の体にとって、水がどれほど大切な成分なのか調べてみました。

人の体の半分以上が水分?

みなさんは人間の体内はどんな成分で構成され、その比率はどれくらいなのかご存知でしょうか。

人間の体は、約60〜70%が水分、15〜20%がタンパク質、13〜20%が脂質、5〜6%がミネラル、そしておよそ1%が糖質で構成されています。
こうしてみると、人間の体の半分以上が、水分で構成されているということが、わかりますね。

ちなみに、体内で水分が占める割合は、年齢と共に減少していきます。
例えば胎児の場合、約90%が水分で出来ており、生まれて間もない赤ちゃんの場合、水分の割合はおよそ75%といわれています。
これが高齢者になると、体内の水分量は50%程度になります。
このように年齢と共に割合が減少してもなお、体の構成する物質として水分が人の体を構成する物質の大半を占めている事がわかるかと思います。

食べものがなくても3週間は生きていけるのは何故?

人は水さえあれば、食べものがなくても3週間ほどは生きていくことができると言われています。
水と食べもの、どちらも体に必要なものにもかかわらず、この違いを不思議に思う方も多いのではないでしょうか。

実は食べものからエネルギーが得られなくても、人間は体内に蓄えられているグリコーゲンやコレステロールといった脂肪をエネルギーに変えることができるのです。
そして、これらのストックがなくなってしまった場合でも、今度は筋肉などをエネルギーに変えることもできるのです。

これらが食べものがなくても3週間ほどは生きていけるといわれる理由です。

人間が1日で失う水分量は?

それでは、人間は水がなければ5日も生きられないといわれているのは何故なのでしょうか。

人間の体の半分以上を構成している水分は、まず体内で血液として体の隅々にまで酸素や栄養素を運んだり、老廃物の回収を行なったり細胞間を行き来したりなど、重要な役割を担っています。

また、体内を循環する水分のほかに体外に排出される水分があります。
人間が生きていく上で欠かせない「呼吸」も、体から水分を排出し続ける生理現象です。

例えば、冬の寒い日に吐く息が白く見えることがありますが、これは息を吐き出すときに水分も一緒に排出しているからです。
ちなみに呼吸によって排出される水分量は、1日当たり約400ミリリットルといわれています。

ほかには、皮膚からも水分が体外に排出されています。皮膚からは1日約600ミリリットルの水分が蒸発しています。
さらに、尿として約1,200ミリリットル、大便として約100ミリリットルの水分が1日に体外へ排出されています。

体外に排出されている水分を合計すると、1日当たり約2,300ミリリットルとなります。
これは、1日で2リットルのペットボトル1本分以上の水分を失っていることになります。

人間のこのような体の機能を維持するためにも、失われてしまう水分を補給することは、生命に関わる重要事項となっているのです。
水分が補給できないと5日も生きられない理由はここにあります。

まとめ


人が体の機能を維持するためにいかに水が大切なものか、改めてお分かり頂けたのではないでしょうか。

災害の現場では、人間の体の機能を維持するために必要な水分を3日間補給できないと状態が続くと、生存率が一気に下がってしまうそうです。

水は食べもののように体内で代わりになるものがないため、非常時に困らないよう備蓄は常に用意しておくことが非常に大切です。
水の備蓄には、ウォーターサーバーや井戸の導入など、様々な方法が考えられます。
これを機に、非常時に生きるために必要な水をどう確保するかをぜひ考えてみてはいかがでしょうか。