今や健康・美容、おいしさのために欠かせない存在になっているミネラルウォーターですが、消費量と生産量も年々増加しています。
災害などで断水や水不足になった時のために、備蓄用としている家庭も多いことでしょう。

さて、あなたはミネラルウォーターを選ぶ際にどこの県で採水されたものなのかを意識したことはありますか?
ミネラルウォーターは産地の違いによって、水質や栄養素、風味などが異なるため、選ぶ際に産地をチェックしている人もいます。

今回は、日本の有名なミネラルウォーターの産地をいくつかご紹介しますので、今後選ぶ際の参考にしてみて下さい。

国内第一位のミネラルウォーター生産量を誇るのは山梨県

日本では「南アルプス」や「富士山」のミネラルウォーターが有名ですが、この二つを有するのが山梨県で、国内第一位の生産量を誇ります。

南アルプスで採水された水は、自然の花こう岩層(かこうがんそう)のろ過作用によって清浄された硬度30mg前後の、まろやかでスッキリした味わいが特徴の軟水で、老若男女問わず親しまれています。
カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムなどのミネラルがよく含まれています。
また、ワインやお酒もよく山梨県の水で造られています。

山梨に次いで生産量が多いのは静岡県

山梨県と共に富士山の恵みを受けている静岡県は次いで生産量が多く、日本国内のミネラルウォーターは山梨県と静岡県の二県が生産量のほぼ半数を占めています。

玄武岩層(げんぶがんそう)を通ってろ過された富士山の湧水にはミネラルの一種である「バナジウム」が多く含まれています。
健康や美容効果が高いとされているバナジウムは体内で生成することができないため、ミネラルウォーターで積極的に摂取する人も増えています。

硬度は南アルプスよりやや高めの30~90mgですが、軟水です。ちなみに静岡県の水道水は水源の半分を地下水で賄っています。

山梨が南アルプスなら、北アルプスは?

山梨県は南アルプスですが、北アルプスのある岐阜県も名水の地として知られています。
北アルプスの飛騨山脈の飛騨片麻岩(ひだへんまがん)で自然ろ過された麓の天然水も飲みやすく栄養も豊富で人気がありますが、硬度は20mg〜90mgと採水地によって差があり、味に違いが出ます。

他にも養老山地や、関市洞戸(せきしほらど)で採水される天然水などもあります。

鳥取県や兵庫県のミネラルウォーターが有名な西日本

奥大山山麓の湧水などが人気を集めている鳥取県は、多くのミネラルウォーター生産量を誇ります。
西日本でも珍しい豪雪地帯で、大山のブナの林に降り積もった雪が雪解け水になり、地下に染み込んで自然ろ過された天然水は、栄養価が高い水になります。
硬度は20mg前後と言われています。

また、同じ西日本では兵庫県の六甲山から採水されている水も有名です。
大部分が南アルプスと同じ花こう岩層で自然ろ過された六甲の天然水は、名水百選にも選ばれた「布引」という地域からくみ上げられています。

阿蘇山が有名な九州地方のミネラルウォーター

熊本県熊本市は水道水をすべて地下水で賄っていることでも知られていて、「名水百選」に選ばれる阿蘇があり、綺麗な地下水を使ったミネラルウォーターには人気があります。

なお、沖縄県が産地であることが多い「海洋深層水」という商品がありますが、これは地下水ではないのでまた別物になります。

まとめ

まとめ
日本の天然水はそのほとんどが軟水で、味や栄養素に多少の差はあるものの、基本的には飲みやすいのが特徴です。
軟水はお茶や料理に幅広く使うことができ、素材の味がとても活きてきます。
ふっくらとご飯が炊け、お酒造りにも使用される日本の天然水は、日本の風土に合っているのです。

今後もおいしくて栄養のあるミネラルウォーターを飲むためには、水源をきれいに保つために自然環境を大切にしていかなければなりませんね。
ミネラルウォーターを選ぶ際はぜひ採水地にもこだわってみてください。