近年、井戸は災害時のライフラインとして重要視され、再び設置が見直されるようになってきました。

こうした背景を受けて、新たな井戸の設置や使っていない井戸の再利用を検討するケースが増えてきていますが、一方でいまだ昔ながらの井戸をイメージする方も多くいらっしゃいます。

そこで今回は、現在使われている井戸にはどんなものがあるのかご紹介いたします。

釣瓶(つるべ)式の井戸からポンプ式の井戸へ

井戸といえば、時代劇に出てくるような縄の先に付けた桶で水を汲む、昔ながらの「釣瓶(つるべ)式の井戸」が思い浮かぶという方も多くいらっしゃいます。
しかし、現在の井戸は釣瓶(つるべ)式のように地中に人が入れるほどの広さで深く穴を掘っている形ではなく、地中に配管を埋め込んでポンプで水を汲み上げる形に進化しています。

釣瓶(つるべ)式の井戸は江戸時代によく使われていましたが、明治に入ってから手押し式の井戸ポンプが普及し始め、少しずつ姿を消していきました。現在では、釣瓶(つるべ)式の井戸は日本人によってアフリカやアジアに伝えられ、各地で活躍しています。

現在主流の井戸ポンプ4種類の特徴

釣瓶(つるべ)式の井戸が使われていたころは桶で水を汲んでいたため重労働でしたが、現在の井戸はポンプ式なため、電動のものになると水道水のように蛇口を開くだけで水が汲み上げられる便利なものになっています。ここでは、現在主流となっている4種類の井戸ポンプを見ていきましょう。

浅井戸ポンプ

昔からよく普及している浅井戸ポンプは、井戸水の地上までの水位が8m以内の井戸に適しています。
自動で水を吸い上げる電動ポンプと手でハンドルを押し上げる手押しポンプのどちらでも対応でき、水量も簡単に調整することができますが飲料水ではなく生活用水として使用される場合がほとんどです。

深井戸ポンプ

深井戸ポンプは井戸水の地上までの水位が8m以上の井戸に適したポンプです。かなり深い井戸でも豊富な水量と水質が維持できます。さらに、水温も一定に保たれていることが多く、夏は冷たく冬は温かく感じる快適な井戸水を利用できます。

深井戸ジェットポンプ

井戸の水位の深さが8m〜20mの場合に適したポンプです。主に高層マンションなど、水を高い位置まで吸い上げる必要があるときに使用されます。
最近ではかなり低減されていますが、多少の作動音があっても問題ない場合に使われるポンプです。

深井戸水中ポンプ

ポンプ部分を井戸の水の中に設置するタイプです。水位が20mを超える場合でも十分に対応でき、豊富な水量を確保することができます。
さらに、地上に設置する部分はとてもコンパクトで場所を取ることもありません。作動音も聞こえないため時間を気にすることなく稼働できます。

このように、井戸ポンプにはさまざまな種類がありますので環境に合わせたものを選ぶ必要があります。
万が一合わないものを購入してしまうと使用できない場合もありますので、まずは専門の業者に相談してみることをオススメします。

まとめ

まとめ
現在使われている井戸の種類についてご紹介しました。
現在の井戸は、昔ながらの「釣瓶(つるべ)式の井戸」よりも遥かに便利で使いやすく、災害が起こったときも大きな助けになることがお分かりいただけたことと思います。

また、井戸にかかる費用を少しでも安く抑えたいとお考えの方には中古品という選択肢もありますが、買ってみたけれど使用できなかったというケースもありますので初めての方にはオススメできません。井戸を設置する際は、必ず業者に相談して自宅の環境に適したものを選びましょう。