近年は災害時のライフライン確保のために、ご家庭でも井戸の設置を検討しているという方が増加傾向にあります。その一方で、さまざまな原因によって井戸が枯れて水が出なくなってしまうというトラブルもあるようです。
そこで今回は、井戸が枯れてしまう原因や、井戸の種類との関連性などについてご紹介します。
井戸水の源とは?
井戸が枯れてしまう原因について調べる前に、まずは井戸水の源について確認しておきましょう。
井戸水は地中に穴を掘ることで得られる地下水ですので、つまり地下を流れている水や地下に溜まっている水が井戸の水源ということになります。
これらの地下水は、雨が降って山などの地表面から地中に水が浸透していき、土が持つ作用によって時間をかけて浄化されることで、ろ過されたものです。そして、浄化された水は地中の岩や石などの粒が大きい地層であれば土を通り抜けていき、水が浸透しにくい泥岩の地層に溜まって地下水となります。
また、この地下水が地表に溢れ出たものが「湧き水」、火山などの活動によって地下水が温められたものが「温泉水」となります。さらに、地中に穴を掘って井戸を作り、ポンプを使って地下水を汲み上げた水が「井戸水」として使用されるのです。
井戸が枯れる原因と浅井戸・深井戸の違い
井戸の水が枯れてしまう原因は、井戸そのものに問題がある場合をはじめ、降雨量の減少や近隣河川の水量の変化によって地中に溜まっている地下水が無くなってしまったり、水位が下がった状態になってしまうことが考えられます。また、周辺の土木・河川改修工事などの影響で地下水の通り道が遮断されて井戸が枯れてしまうこともあるようです。
そんな井戸が枯れるリスクを避けるためのポイントとなるのが、「浅井戸」や「深井戸」などをはじめとする井戸の種類選びです。ここではそれぞれの特徴について見ていきましょう。
浅井戸
浅井戸は地中の硬い岩盤の上の地下水を利用しており、周りの環境の変化によって水質や水量が影響されやすく、大幅な水位変動や雨量が少ない夏には井戸が枯れてしまうこともあります。
しかし、工事費用が比較的安価で手軽に掘れるため、主に家庭菜園や生活用水などをはじめ、ご家庭で最も使用されることが多いタイプです。
深井戸
深井戸は硬い岩盤の下の地下水を利用しており、その地域一帯の大規模な開発や、隣接する井戸から大量に井戸水を利用するなどの事情が無い限りは井戸が枯れてしまう心配はほぼないといわれています。長い年月をかけて地下深くに溜まった水ですので、雨が降る量や近隣の河川の影響など周囲の環境によって左右されにくいといえるでしょう。
また、浅井戸に比べて工事費用が高額になりやすい点もありますが、一年を通して水温や水質が安定した水が手に入ります。
このように、井戸が枯れて水が出なくなるリスクを抑えるためには周囲の影響を受けにくい深井戸の使用がオススメですが、設置には地中の状況など調査が必要となりますので、まずは専門業者に相談してみるとよいでしょう。
まとめ
井戸が枯れてしまう原因や、井戸の種類との関連性などについてご紹介しました。
深井戸を設置することで井戸枯れのリスクを減らすことができますが、工事費用が比較的安い浅井戸は家庭用として使いやすい点も魅力ですよね。
地中の状況によってもどちらが適しているかどうかご家庭によって異なりますので、井戸の設置を検討しているという方はまずは専門業者に相談してみましょう。