近年、井戸は災害対策としてのニーズが高まり、各都道府県で設置されることが増えつつあります。多くの井戸は主に生活用水として活躍していますが、飲料水としても利用するにはクリアしなければいけない基準について理解しておく必要があります。

そこで、今回は井戸水が飲料水として利用できる基準や、どんな点が調査されているのかご紹介します。

飲料水として利用可能な井戸水の評価基準

まずは、飲料水として利用可能な井戸水の評価基準から確認しておきましょう。

一般的に水道の水は「水道法」や、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律(ビル管法)」で決められた基準をクリアする必要があります。
しかし、井戸水の場合は、これらの法律が適用されません。そのため、井戸の水質検査の内容については、都道府県および政令市の条例によってルールが決められています。

また、地域によって水質の検査項目やクリアすべき基準が定められているものの、飲料用として利用する井戸については、やはり水道の水質検査と同じ項目のチェックを実施しているところが多いようです。

井戸水の安全を調べる検査項目とは?

次に、井戸水の安全を調べる検査項目には具体的にどんなものがあるのか見ていきましょう。
各都道府県では、飲用としても利用する予定の井戸には水道水と同じ51項目の水質基準項目を適用している所が多くみられますので、ここではその項目と基準について挙げていきます。

毎年実施が必要な検査項目は11項目

毎年実施が必要な検査は、「一般細菌」や「大腸菌」などの細菌、「亜硝酸態窒素」や「塩化物イオン」などの非金属、「味」、「臭い」などの一般性状という項目になります。これらは基本的な項目となりますが、味や匂い以外にも日頃から水の色などに異常がないか確認し、検査も年に一度以上は行ないましょう。

水質検査を行なうことが望ましい8項目

井戸を設置する地域の特長や周辺の地下水の状況によっては、検査をできるだけ行なうことが望ましい項目もあります。
主に、「鉛及びその化合物」や「ヒ素およびその化合物」の金属、「四塩化炭素」や「ジクロロメタン」などの揮発性有機化合物については、健康への影響があるものとして水質検査を行なうことが推奨されています。

これまで水質検査をしていなければ調査が望ましい21項目

井戸を設置してから、一度も検査を行なっていない場合は念のため調査しておいた方がよい項目は21個です。
主に「水銀及びその化合物」などの金属、「フッ素及びその化合物」などの非金属、有機化合物、界面活性剤のほか、「ジェオスミン」などの臭気物質の検査についても一度は行なって欲しいものに含まれます。

井戸水を消毒することによって発生する可能性のある11項目

井戸水を塩素消毒している場合には、消毒によって生成される「クロロ酢酸」や「総トリハロメタン」などの消毒副生成物についても11項目調べる必要があります。
健康への影響も報告されていますので、必ずチェックするようにしましょう。

このように、井戸水を飲料水として利用するにはクリアしなければいけない基準があります。一般細菌や味、匂いなど基本的な11項目は年に一回以上の検査が必要となりますが、そのほかの項目についても3年に一回以上は必ず実施するようにしてください。

まとめ

まとめ
井戸水が飲料水として利用できる基準や、どんな点が調査されているのかご紹介しました。
検査項目の多さに驚かれた方もいらっしゃるかもしれませんが、水道水と同じように私たちが安全に井戸水を飲むためには大切な調査です。

今回ご紹介した井戸の水質検査は、各都道府県の保健所などで依頼できますので、まずはお住まいの地域のホームページや保健所窓口から問い合わせてみましょう。