おいしい料理を作るために重要な要素の一つが水です。
しかし、綺麗な水を使うだけではなく、硬度によっても味や食感に違いが生じることをご存知でしょうか?

水は「硬水」と「軟水」に分けられますが、それぞれの特徴の違いを知っておくと食材を活かした料理が作れます。

そこで、今回は硬水と軟水の特徴を活かしたオススメの料理をご紹介します。

硬水と軟水の違いとは?

はじめに、硬水と軟水の違いについて解説いたします。

水にはマグネシウムやカルシウムなどのミネラル分が含まれており、これらがどのくらい含まれているかで硬水と軟水に分けられています。
ミネラル分が多く含まれている水を「硬水」、含まれている量が少ない水を「軟水」と分類しています。

また、水1リットル当たりに含まれているカルシウムとマグネシウムの量を表わした数値を「硬度」といい、WHO(世界保健機関)の基準では、硬度120mg/L以上が「硬水」、硬度120mg/L以下が「軟水」と定められています。

硬水と軟水については井戸ポンプ情報局で、過去にも取り上げていますのでそちらもご覧ください。(意外と知らない硬水と軟水の違いとは?)

軟水が向いている料理

まずは、ミネラル分が少ない軟水はどんな料理と相性がよいのでしょうか?

和食料理

クセがなくまろやかな風味が特徴の軟水は、お米や野菜のうま味を引き出す効果があるといわれています。
そのため、ふっくらとして粘り気のあるおいしいご飯を炊くにもピッタリですし、食材の香りや風味を大切にする和食料理に適しています。

和風だし

和食ではだしを取った料理がよく作られますが、だしを取った水分が食材に浸透しやすい軟水を使うことで素材の風味がよく染み込んだ料理に仕上がります。

緑茶

軟水は緑茶の旨味を活かすのにも優れています。軟水は無味無臭で硬水のようなクセがないため、緑茶独特の甘みや苦味を楽しむことができます。

軟水は主に和食料理に合うことが分かりました。日本では水道水のほとんどが軟水ということもあり、水の特徴に合わせてこのような和食料理が発展してきたともいえるでしょう。

硬水が向いている料理

次に、ミネラル分が多く含まれている硬水と相性がよい料理をご紹介します。

パエリアやピラフ

硬水に多く含まれているカルシウムにはお米の繊維を硬くする働きがあります。
そのため、パエリアやピラフ、カレーなどによく合う硬いお米の食感を出すには硬水がオススメです。
さらに、パスタは硬水で茹でた方がコシのある麺に仕上がります。

ビーフシチューなどの牛肉の煮込み料理

硬水には肉を柔らかくする効果があります。
さらに、硬水に多く含まれているカルシウムが肉のタンパク質と結合し、アクとして外に溶け出すことで臭みを取る効果もありますので、肉を使った煮込み料理には硬水がオススメです。

このように、欧米では硬水が一般的なところが多いため、水の特徴を活かして和食よりも洋食と相性がよい傾向があります。

コーヒーは軟水・硬水どちらでもOK?

コーヒーは、軟水と硬水で味の変化を楽しむことができます。
軟水でコーヒーを淹れるとマイルドで酸味が出やすくなり、硬水で淹れると苦味が強く出るため、同じ豆でも驚くほど味が変わります。

コーヒーに合う硬水と軟水については井戸ポンプ情報局で、過去にも取り上げていますのでそちらもご覧ください。(コーヒーや紅茶に適している水は硬水? 軟水?)

まとめ

水の硬度で料理がさらにおいしくなる?
硬水と軟水の特徴に合わせたオススメの料理をご紹介いたしました。
調理の際は綺麗な水を使うのはもちろんですが、実は水の硬度も料理の味や食感に大きく影響していることがお分かりいただけたと思います。

普段使っている水に少し気を使うだけでさらにおいしい料理が作れますので、ぜひ一度試してみてください。