日本では毎年のように洪水が発生しており、河川近くでは特に被害が大きく報じられています。被害を少しでも軽減するためには、事前にできる対策を知っておくことが大切です。
今回は、洪水の基本的な対策と井戸を守るための方法をご紹介します。

洪水の種類は?

洪水は大きく分けると「外水氾濫」と「内水氾濫」の2つになります。

外水氾濫

外水氾濫は、川の水量が急増した際に発生し、特に梅雨や台風の時期は要注意です。
川の水位が上がり、堤防を越えて周囲に流れ出すことで家屋や道路が浸水し、地域一帯が水に覆われます。
豪雨や長時間の大雨が続くと、川の水をせき止める役割を果たしている堤防が崩れるケースもあり、早急な避難が必要になります。

内水氾濫

内水氾濫は、短時間に大量の雨が降ることで下水道が排水しきれずに発生するものです。
特にコンクリートで覆われた道路や建物が多い都市部では、雨水が地面に浸透しにくくなっています。
そのため、地面に水が溜まりやすく、すぐに浸水被害が出る傾向にあります。

洪水による主な被害

洪水による被害は人的な被害のほか、家屋やインフラにも大きな影響を及ぼし、経済的な損失もあります。

人的被害

洪水で最も心配されるのが人的被害です。
水に流される、家屋が倒壊するなどして命を落とすケースがあり、特に高齢者や小さな子供がいる家庭は、早めに避難しましょう。
近年では早期警報が整備されてきていますので、情報をしっかり確認して行動することが大事です。

家屋、インフラへの影響

家屋やインフラにも大きな被害が及び、洪水が引いた後の修繕や復旧には時間がかかります。
浸水した家屋では、建材が水を含んで弱くなってしまい、リフォームや建て直しが必要になる場合が多いです。
また、道路や橋が流されると交通網が寸断され、救助や復旧作業にも影響が出てしまいます。

経済的損失と復興のコスト

洪水の被害は、経済的にも大きな損失を生みます。
企業や店舗が浸水すると営業停止にせざるを得なくなり、売り上げが減少する上に、建物の修繕やインフラの復旧に莫大な費用がかかるのです。
もしも保険に加入していない場合は、全ての費用を自己負担で対応しなければならず、その被害は計り知れません。

洪水対策と避難行動

洪水が発生した際には、速やかに避難することが大切です。
特に避難の準備や避難場所の確認を怠ると、命に関わる危険が高まります。

事前の対策と早めの避難準備

洪水対策には、最低限の防災グッズを揃えておきましょう。
特に飲み水や非常食、懐中電灯、バッテリーなどは欠かせません。防水バッグや移動用のリュックなども準備しておくと便利です。
また、警報が出た時点で避難の準備を始め、家族全員が安全に避難できるよう、避難ルートを確認しましょう。

避難場所と安全確保の方法

自治体から指定された避難場所を事前に把握しておきましょう。
特に家が低地にある場合は、水に飲み込まれる危険性があるため、避難できる高台や頑丈な建物の候補を見つけておくのも大事ですね。
洪水のリスクが高い地域を確認できる「ハザードマップ」というものがあるので、自宅周辺のリスクエリアの把握ができます。

洪水による井戸の被害と対策は?

もしも自宅で井戸を使用している場合、水質の悪化や井戸自体に被害が出る恐れがあるので、しっかりと対策しましょう。

井戸水の汚染と崩壊リスク

洪水が発生すると、地表を流れる水が井戸に流れ込み、地下水が汚染されるリスクがあります。
洪水によって運ばれてきた泥やごみ、有害な物質が井戸水に混入すると、生活用水としての利用ができなくなるのです。
また洪水の強い水流によって、井戸そのものが崩壊する危険もあります。

井戸を守るための対策

井戸を洪水から守るためには、井戸の周囲に防水対策を施すのが有効です。
例えば、井戸の口を地面より高くしたり、周囲に防水壁を設けたりすると、洪水時に水が直接井戸に流れ込まないような対策ができます。
また、井戸自体に蓋を設けるのも、汚染を防ぐために効果的ですね。

洪水後の井戸の復旧

洪水後に井戸を再び使用するためには、まず汚染された水を完全に排出し、清掃する必要があります。
専門業者に依頼して水質検査を行い、安全性を確認できるまでは井戸水の使用は避けましょう。

事前の対策で被害を最小限にしよう

洪水を含む自然災害は予測するのが難しく、直前になるまでわからないケースが多いので、被害を最小限に抑えるための事前の準備と適切な避難行動が欠かせません。
防災グッズの用意や、避難場所の確認、家屋や井戸の防水対策など、準備できることは必ずやっておきましょう!