
喉の渇きや体調不良がなくても、体の中では脱水症状が進んでいることがあります。これが「かくれ脱水」です。季節を問わず気づかないうちに疲れやすくなったり、集中力が落ちたりする原因になるため、早めの対策が大切です。
今回は、かくれ脱水の原因やサイン、予防するポイントなどについてご紹介します。
かくれ脱水とは?
「脱水症」という言葉は、夏の暑さやスポーツ時に水分が足りなくなって体調を崩すイメージが強いかもしれません。その前段階ともいえる「かくれ脱水」は、体の中の水分がじわじわと不足しているのに、本人や周囲が気づきにくい状態を指します。
通常の脱水症は、めまいや吐き気、強い喉の渇きといった明らかな症状が出やすいため、比較的早く異変に気づくことができます。しかし、かくれ脱水の場合は「なんとなくだるい」、「集中力が続かない」、「眠い」など、日常生活の疲れと勘違いしやすいサインしか出ないケースも多いのです。
特に高齢者は喉の渇きや体調の変化を感じにくい傾向があるため、気づかないうちに体内の水分量が減っているケースが少なくありません。また、子どもも遊びに夢中になると水分補給を忘れてしまうことがあり、かくれ脱水になりやすいといわれています。
一見元気そうに見えても、体の中では水分が不足している場合があります。だからこそ、かくれ脱水は「隠れたリスク」として意識しておくのが大切です。
かくれ脱水が起こる原因
かくれ脱水は、特別な状況でだけ起こるものではなく、普段の生活の中でも知らず知らずのうちに進んでしまいます。
その大きな原因のひとつが「水分補給の不足」です。喉が渇いたときだけ飲めば十分だと思いがちですが、実は喉の渇きを感じたときにはすでに体の水分はかなり減っています。
また、気温や湿度もかくれ脱水の大きな要因です。夏の暑さで汗をかくのはもちろん、冬でも暖房の効いた部屋に長くいると知らないうちに体の水分が奪われていきます。冬は「汗をかかないから大丈夫」と油断しやすいのですが、空気の乾燥によって皮膚や呼吸から水分が抜けていくため、注意が必要です。
さらに、体調や生活習慣も影響します。下痢や発熱があると水分が急激に失われやすくなりますし、アルコールやカフェインを含む飲み物を多くとると、利尿作用によって体の水分が外に出てしまうおそれもあります。
かくれ脱水のサイン
かくれ脱水は、名前の通り「自分でも気づきにくい脱水状態」です。しかし体はちゃんとSOSを出しているので、そのサインを見逃さないことが大切です。
唇や肌の乾燥
まず分かりやすいのが「口の中や唇の乾き」です。唾液が少なくなって口の中がネバつくときは、すでに体の水分が不足している証拠です。
また、皮膚の状態にも表れます。手の甲の皮膚を軽くつまんだときに、すぐに戻らずシワが残るようなら水分不足が進んでいる可能性があります。
尿の色や便秘
尿の色も大事なチェックポイントです。健康なときは薄い黄色ですが、濃くなっているときは体が水分を必要としている可能性があります。
加えて、便秘気味になったり、頭が重く感じたりするのも隠れたサインのひとつなので注意しましょう。
高齢者は特に注意を
高齢の方の場合、少しの体調変化にも注意が必要です。例えば、なんとなく元気がない、集中力が続かない、足がつりやすいなど、一見脱水とは関係なさそうな症状が、実はかくれ脱水の影響という場合もあります。
このように、かくれ脱水は「喉が渇いた」以外のサインでも気づくことができます。日常のちょっとした変化を見逃さず、早めに水分補給を心がけるようにすると予防につながります。
かくれ脱水を予防するには?

かくれ脱水を防ぐには、こまめな水分補給が一番のポイントです。ただ「喉が渇いたときに飲めばいい」と思っていると、既に体は水分不足になっていることが多いのです。だからこそ、普段の生活の中で自然に水分を取り入れる工夫が役立ちます。
水分補給の習慣化
まずおすすめなのは「時間を決めて飲む」方法です。例えば朝起きたとき、食事のとき、入浴の前後、寝る前などに必ずコップ一杯の水を飲むようにすると、無理なく習慣にできます。また、デスクワーク中やテレビを見ているときに手元に水やお茶を置いておくのも効果的です。
利尿作用がある飲み物に注意
飲み物の種類にも気をつけたいところです。水や麦茶、薄めたスポーツドリンクなどは体に優しく吸収されやすい飲み物です。
一方で、カフェインを多く含むコーヒー、アルコールは利尿作用があるので、飲みすぎるとかえって水分を失いやすくなります。バランスを考えながら取り入れるのが大切です。
食事で水分補給も
食べ物から水分を補給するのも良い工夫です。きゅうりやトマト、スイカといった野菜や果物には水分がたっぷり含まれているので、食事に取り入れることで自然に水分補給ができます。スープや味噌汁も体を温めながら水分を補えるのでおすすめです。
室内の乾燥を防ぐ
室内環境を整えることも重要です。エアコンを使って室温や湿度を調整したり、加湿器で乾燥を防いだりすると、体の水分が奪われにくくなります。外出時には帽子や日傘を使い、直射日光を避けるのも効果的です。
周りに声をかける
喉の渇きを感じにくい高齢の方や子どもには、周りの人が声をかけてあげることも予防につながります。「一緒にお茶を飲もう」などと声をかけて、自然に水分補給の機会を増やしていきましょう。
なお、体調がすぐれない時は自己判断で済ませず、医療機関を受診しましょう。かくれ脱水が進むと、熱中症などにつながる危険もあるため注意が必要です。
かくれ脱水のサインを見逃さず予防を

かくれ脱水は、誰にでも起こりうる身近なトラブルですが、正しく知って早めに気づけば防ぐことができます。自分自身だけでなく、家族や周りの大切な人のためにも、今日から「こまめな水分補給」を意識してみてくださいね。










