夏の熱中症対策や、運動後に水をたくさん飲んで下痢や頭痛を起こしたことがある方は多いのではないでしょうか?

体調を整えるために水分補給は大切ですが、必要以上に水を飲みすぎると「水中毒」になり逆に体調不良を起こす原因になる場合があります。
今回は、水中毒の原因や予防方法について解説いたします。

水を飲み過ぎると起こる水中毒とは?

水を摂取しすぎると、なぜ「水中毒」になり体調不良を起こすのでしょうか?

水には体温のコントロールや、老廃物を水と一緒に体の外へ排出させるはたらきがあります。
ところが、水を摂取しすぎると血液中のナトリウム濃度(塩分の濃度)が低下してしまい、「低ナトリウム症」という状態を引き起こしてしまいます。

「低ナトリウム症」の主な症状には、下痢や胃もたれ、頭痛やめまい、吐き気や嘔吐などがあり、悪化すると痙攣や呼吸困難を起こして重症化することもあります。

モデルが実践していたり、ダイエット目的のために1日に水を2L以上飲むことが話題となったこともありますが、過剰な水分補給はかえって体に負担をかける結果になるため注意が必要です。

1日に必要な水分量はどれくらい?

1日に必要な水分量はどれくらい?
水を飲み過ぎると「水中毒」になるとはいえ、適度な水分補給は必要です。

それでは、1日にどれくらいの水分を摂取すればよいのでしょうか?

私たちの体に必要な水分量は、1日2リットルから2.5リットルくらいだといわれています。
水分は食事からも摂取していますので、水分補給として飲む必要がある水量は1日に1.5リットルくらいとされています。

これに加えて夏の暑い日や激しい運動をしたときは、汗をかいた分の水分補給が必要です。
また、上記の水分量はあくまで目安ですので、決められた量の分だけ水を飲むのではなく、喉が渇いたと感じたときなどに応じて適度な水分補給を心がけましょう。

「経口補水液」で水中毒を予防しよう

熱中症や脱水症状に効果がある飲みものとして注目されている「経口補水液」ですが、実は水中毒の予防にも効果があります。

経口補水液にはナトリウム(塩分)が含まれており、水を飲み過ぎてしまうことで起こる「低ナトリウム症」を防ぎ、水中毒を予防できます。
特に、夏の暑い日や激しい運動をして汗をかいたあとは、「経口補水液」を飲んでおくとよいでしょう。水分とナトリウムを同時に補給できるのでオススメです。

また、経口補水液は砂糖と塩と水があれば自宅でも作ることができます。
ネット上には経口補水液を飲みやすくアレンジしたレシピが多数存在していますので、自分にあったものを作成してみてください。

水をたくさん飲み過ぎると起こる「水中毒」は、誰にでも起こる可能性があります。
水の飲み過ぎには注意が必要ですが、私たちの体には水分補給が大切です。

今回ご紹介した知識を活かして、水中毒を予防しながらしっかりと水分を摂って元気に過ごしましょう。