井戸ポンプの設置を検討されている方にとって、気になるポイントの一つが故障などのトラブルです。
井戸ポンプは条件が良ければ10年以上使用できますが、状況によっては予定より早く故障してしまうことも。しかし、どのような原因で故障が起こりうるのか事前に把握しておけば、いざというときに慌てなくて済みます。

そこで今回は、井戸ポンプを長く使用するために一般的な故障の原因についてご紹介します。

よくある井戸ポンプの故障と考えられる原因

よくある井戸ポンプの故障の一つに、「水が出なくなる」ことが挙げられます。
主な原因はポンプの機器部分の故障以外に凍結など、季節が関係していることもあります。実はポンプで汲み上げる地下水の水位は一年中いつも同じとは限らず、季節で大きく変動しています。特に冬場は気温の低下によって、地下水が凍ることがあるのです。

また、「砂」が故障の原因となっている場合もあります。たとえば水の異物を取り除くストレーナーというろ過装置や砂こし器に砂づまりが起きていると、水が出なくなる、水量が少なくなる、水の勢いがなくなるといった症状が出てきます。そのほかにも、水を吸い上げるパイプに砂がつまることで、水が出なくなることもあります。

さらに「水が出なくなる」原因には、井戸ポンプが地下水を汲み上げている仕組みによるものがあります。井戸ポンプを動かすために必要な呼び水が減少していると、給水管を真空状態にすることができず水が出なくなるのです。呼び水を満タンにしているにもかかわらず水が出ない場合には、別の原因が考えられます。

井戸ポンプの機械部分に関するトラブル

井戸ポンプを長期間使用していれば、部品の経年劣化が起きて機械部分にトラブルが生じることもあります。
よくあるポンプの機械トラブルとしては「モーターが回らなくなる」ことが挙げられますが、これも部品の経年劣化が原因です。また、インペラーと呼ばれる箇所に砂がつまることで、モーターが回らなくなることがあります。

さらに、モーター音が異常なほど大きくなるのもトラブルのひとつです。原因として考えられるのは各部の磨耗ですが、最初はたいした問題ではないと考えていても、最終的には近所迷惑になるほどの大騒音になることもあります。
このほか、蛇口に関するトラブルも珍しくありません。蛇口を止めてもポンプの動作が停止しない場合、インペラーが摩耗している可能性があります。
インペラーは水圧に関係する部品ですので、トラブルが起きると水圧が上がらなくなり、井戸ポンプの動作が止まらなくなる恐れがあります。

そして、井戸ポンプの使用中に電源が落ちることもよくあるトラブルです。電流が既定値を越えて流れた場合はリセットボタンが働きますが、何度も既定値を超えて流れると電流が遮断されて使い物にならなくなる場合があるのです。そのほかにも、電源ケーブルのトラブルや絶縁不良があれば、電源が途中で落ちることがあります。

井戸ポンプのトラブルが増える時期は?

井戸ポンプのトラブルが増える時期は?
一般的に井戸ポンプのトラブルが増えるのは、設置後約10年〜20年程度といわれています。どんなに頑丈な井戸ポンプでも、長期間にわたって使い続ければ部品の経年劣化は起きるものです。

特にトラブルが起きやすいのはポンプの付け根部分です。付け根にあるシールテープが劣化すれば、隙間から空気が漏れ、結果的に真空ではなくなり水が出にくい状態になるのです。また、部品の劣化なら交換すれば直ることもあるでしょう。しかし、何度も部品交換をしても、井戸ポンプ本体まるごと交換しなければならない時期もいつかは訪れる可能性があります。

自分で修理できる? 原因によってはかなり困難なことも

井戸ポンプが故障したら自分で修理するという方もいらっしゃるかもしれません。特に普段からDIYをしている方なら、ちょっとした故障なら自分で修理できる部分もたくさんあります。

たとえば、浅井戸で配管はそのまま使用し、ポンプだけまるごと交換する程度の作業であれば、それほど難しい作業ではないでしょう。そのほかにも、ストレーナーに砂づまりが起きているなら掃除をすれば再び動作することもあります。
しかし、深井戸のジェット交換、水中ポンプや配管の交換まで自分だけで行うのはかなり注意しなければなりません。知識や技術はもちろん、修理のための工具も必要です。たとえ修理できたと思っても、いざ電源をつけたら、修理前となにも変わらなかったという結果もありえます。

また、簡単な部品の交換でも、強引に行えばよけいに壊れる危険性もあります。井戸ポンプの修理は事故につながるリスクも常に考えておかなければならないのです。

まとめ

井戸ポンプの一般的な故障の原因についてご紹介しました。
井戸ポンプは10年〜20年と使い続けるうちに、どうしても故障箇所が増えてしまうものです。故障の度合いによっては自分で修理/ケアすることが可能な場合もありますが、故障の原因が専門知識や技術が必要な場合もあります。

そのため、少しでも井戸ポンプの動作に異常を感じたときは、なるべく早めに井戸の工事業者に修理を依頼しましょう。