「水分補給」と聞くと「こまめに水を飲む」というイメージを思い浮かべる方が多いですが、水分の補給方法は水や清涼飲料水の経口摂取だけではありません。実は普段の食事からでもある程度は水分を補給できることをご存知でしょうか?

しかし、食事から十分な水分を摂取するには、水分が多い食品を意識して食事に取り入れなければなりません。
そこで今回は、水分の多い食品や食べる際の注意点についてご紹介します。

1日に必要な水分は食品からも摂取可能!

水は私たちの生活を豊かにするだけでなく、生命維持にも欠かせない大切なものです。人体の60%は水分でできていることを考えれば、その重要さは語るまでもないでしょう。

しかし、生きている限り、何もしなくても水分は発汗や排泄でどんどん失われてしまいます。そして、そのまま水分不足の状態になった先に待ち受けているのは、命にかかわる恐れもある脱水症状。
したがって、健康のためにはこまめな水分補給が必要であり、たくさん水を飲むことはすべての人にとって有益なのです。

理想の水分摂取量は1日約2リットル。
これは食品に含まれる水分も合わせての量なので、水をたくさん飲めない体質の方は水分の多い食品を食事に積極的に取り入れ、美味しく食べながら水分を補給しましょう。

美味しく食べて水分補給! 水分を多く含む食品とは?

私たちが普段食べているほとんどの食品には多かれ少なかれ、水分が含まれているため、いつも通り3食しっかり食べていれば、ある程度の水分は摂取できます。しかし、発汗で大量の水分が失われる夏は、水分を多く含む次のような食品を意識して食べるよう心がけてみましょう。食事をしながら、効率的に水分を補給できます。

野菜

まずは野菜です。基本的にはどの野菜も水分を豊富に含んでいますが、その中でももやしや白菜、レタス、カリフラワー、きゅうり、トマト、ナスは食べやすく、調理も簡単なのでおすすめです。もやしはここ数年、カサ増しできる節約食材として注目されてきましたが、夏は水分補給食材としてもさまざまな場面で大活躍するでしょう。
また、低糖質の野菜として人気があるカリフラワーは、生のまま食べられます。
暑さで調理が面倒なときは水で洗った後、マヨネーズやマスタード、味噌などをつけてそのまま食べても美味しいですよ!

果物

野菜と負けず劣らず水分が多い果物の中でも、スイカや桃、オレンジやみかんなどの柑橘系、いちご、パパイヤは手に入りやすく、好き嫌いが分かれない味なのでおすすめです。
特に桃は甘さがある割に低カロリー・低糖質なので、ダイエット中の方でも安心して食べられるでしょう。ただし、食べ過ぎは禁物です。

魚介類

タンパク質を摂取するうえで欠かせない魚介類も、水分を多く含む食品です。
アジ、イサキ、アワビ、サンマ、クラゲなどは特に水分量が多く、水分不足が気になるときにはぜひ食事に取り入れましょう。

主食

意外にも主食には多くの水分が含まれています。特にご飯やうどんは60%以上の含水率があるので、夏はパンよりこちらがおすすめです。
具たくさんのトッピングで栄養もばっちりの冷やしうどん、食欲のない日でも無理せず食べられる冷やし茶漬けなどはいかがでしょうか。

水分の多い食品を食べるときの注意点

水分の多い食品を食べるときの注意点
水分の多い食品は、栄養と水分を一度に補給してくれる便利で優秀な食品ですが、いくつか注意点があります。

食べ過ぎない

水の飲み過ぎは害になるのと同様、水分の多い食品の食べ過ぎは冷えや下痢などの原因になります。
また、水分が多くみずみずしい果物は口当たりが良く、ついつい食べ過ぎてしまうことがありますが、糖度の高いものであれば肥満の原因になってしまいます。何事にも適量があることを意識しましょう。

なるべく水も飲み、食品に頼り過ぎない

食品からでもある程度は水分を補給できますが、できる限り水を飲むことを心がけましょう。水が体内に流れ込むことで整腸や血行促進、代謝アップの効果が期待できます。
水が苦手であれば、フルーツのフレーバーがついた炭酸水やお茶でも構いません。
スポーツドリンクであれば低カロリーのものを、適量(200ml程度)飲みましょう。ただし、スポーツドリンクの飲み過ぎは糖分の過剰摂取につながります。

食べ方にもひと工夫を

食べ方を工夫すると、さらに効率的に水分を補給できます。ご飯なら雑炊、野菜ならスープや煮物にすると良いでしょう。
水分量が少ない栗や大豆でも、水分量が多い食品や水と一緒に調理すれば柔らかく、みずみずしくなります。

食品が傷まないうちに食べる

水分の多い食品は傷みやすいものが多いので、長期保存できるもの以外はなるべく早く食べるようにしましょう。
上記で挙げた果物の中であれば、桃とイチゴは足がはやいので注意です。

体内の水分を奪う食品との組み合わせに注意する

水分を奪う食品と一緒に食べたり飲んだりすると、せっかく体内に入った水分が奪われてしまうことがあります。
代表的なのはお酒です。アルコールには利尿作用があるうえ、体内でアルコールを分解する際に多量の水分を使うため、飲み過ぎると脱水状態になります。
また、辛い食品との食べ合わせや、辛い味付けにも注意してください。発汗作用で必要以上に水分が抜けてしまいます。

まとめ

水分の多い食品や食べる際の注意点をご紹介しました。
食品に含まれる水分は何かと見落とされがちですが、体の調子を整え、風邪や熱中症を予防してくれる可能性があるため、決して無視できないことを覚えておきましょう。
水分不足を自覚している方や水を飲むのが苦手な方は、食品の水分量に注目して、水分の多い食品にはどのようなものがあるのか今一度、調べてみてはいかがでしょうか?意外な食品に、偉大な「水パワー」が潜んでいるかもしれません。