日本酒を楽しむ際に、用意しておきたいのが「和らぎ水」です。
今回は和らぎ水の基礎知識や、効果について解説します。選び方についても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

和らぎ水とは?

和らぎ水とは、日本酒を飲む際に用意しておく水のことです。日本酒の脇に、グラスに水を入れて用意しておきましょう。
アルコール度数の高い洋酒をたしなむ際には、チェイサー(追い水)を用意する方も多いはずです。

和らぎ水は、それと似たような役割を果たしてくれます。

和らぎ水がもたらす3つの効果

和らぎ水を用意することで、日本酒の魅力はよりいっそう高まります。
3つの効果を紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

1.酔うスピードが遅くなる

口当たりの良い日本酒は、適量をゆっくり楽しむのがおすすめです。
しかし場の雰囲気が盛り上がり、食事やお酒が進んでくると、ついペースが速くなってしまいます。
こんなときには、和らぎ水を間に挟んでみてください。適切なペースを保つのに役立ってくれます。

和らぎ水と日本酒の割合は、1対1がベストです。
日本酒と和らぎ水を交互に口にすれば、酔いが回るスピードは自然に遅くなるでしょう。
宴席などでも、途中で酔いつぶれてしまうような失態を避けられるのではないでしょうか。

2.口の中をリセットしてくれる

日本酒の味わいは、非常に繊細なもの。
何度も重ねて口にしたり、料理の味と混ざったりすることで、本来の美味しさとは違ってしまう恐れがあります。
こんなとき、和らぎ水があれば口の中をリセットできるでしょう。

和らぎ水を口にすれば、すっきりさっぱりします。
その上でまた日本酒を口にすれば、いつでも新鮮な味わいを楽しめるはずです。
日本酒を飲んだあとに和らぎ水を飲み、それから料理に手を伸ばせば、料理の味もしっかり堪能できるでしょう。
お酒も食事もじっくり楽しむため、和らぎ水は欠かせないものです。

3.悪酔い予防できる

日本酒は、種類によってアルコール度数もさまざまです。
度数の高い日本酒を一気に飲めば、体内で分解しきれず、翌日にまでその影響を残してしまうでしょう。
和らぎ水には、こうした悪酔いを予防する効果も期待できます。

和らぎ水でアルコール摂取量が減れば、身体への影響も少なくなるでしょう。
また脱水症状を抑える効果も期待できます。
アルコールには強い利尿作用があり、摂取した水分以上に排出してしまいます。
気付かない内に身体が脱水状態に陥る恐れがあり、これも二日酔いの原因です。
和らぎ水で、定期的な水分摂取を心掛けましょう。

和らぎ水の選び方

日本酒とともに楽しむ和らぎ水は、いわば「脇役」。
主役である日本酒の味わいを損なわないよう、注意して選ぶのがおすすめです。
具体的には、「軟水であること」を意識してみてください。

軟水とは、水分中に含まれるミネラル類が一定の基準量以下である水のこと。
一般的には、硬度120ミリグラム未満の水を軟水といいます。
日本産のミネラルウォーターや水道水は、この軟水であり、私たちにとって非常に身近な存在といえるでしょう。

和らぎ水に軟水が適しているのは、味がまろやかで癖がないためです。
さっぱりとしていて、日本酒の味わいを邪魔しません。
硬水は口当たりの重さや独特の苦みが特徴的ですが、日本酒の繊細な味わいを損なってしまうでしょう。

また軟水の中でも、特におすすめなのは「仕込み水」です。
仕込み水とは、日本酒の製造段階で使われる水のこと。美味しい日本酒を作るためには、美味しい水が欠かせません。
仕込み水に使われるのは、日本の水の中でも特に美味しく、またお酒との相性が良いと認められた水なのです。

仕込み水を和らぎ水にすると、その相性の良さにはっとするでしょう。
まろやかな味わいは、日本酒とのバランスも抜群です。ぜひ試してみてください。

人気酒造メーカーの中には、自社で販売中の仕込み水を公開し、販売しているところも少なくありません。
お酒とともに、買い求めてみてはいかがでしょうか?
近年では、インターネット通販で購入できるところも増えているようです。

和らぎ水の準備方法

和らぎ水は、お酒を楽しむ際にセットで用意するのが基本です。
ミネラルウォーターを準備し、飲みやすいようにグラスに注いでおけばOKです。
特別な準備は必要ありません。

ただし、和らぎ水の温度にだけは注意しましょう。水を飲む際に、冷たい温度を好む方は少なくありません。
しかし和らぎ水の温度が低すぎると、舌への刺激が強くなり、その後に楽しむお酒や料理の味が楽しめなくなってしまう恐れがあります。
和らぎ水は常温もしくはぬるめがベストです。氷は必要ありません。

居酒屋や料理屋で日本酒を楽しむ際には、店員に頼んで水を持ってきてもらいましょう。
日本の水は基本的に軟水ですから、和らぎ水の役割を果たしてくれます。
ただしこの場合も、氷に注意が必要です。
店員にお水を持ってきてもらうよう伝える際には、「氷抜きで」というひとことを添えるようにしてください。

和らぎ水で日本酒の魅力をよりいっそう楽しんでみて

和らぎ水で日本酒の魅力をよりいっそう楽しんでみて
和らぎ水は、日本酒の味わいや魅力をより深く楽しませてくれるでしょう。アルコールによる体への負担を軽減するとともに、楽しい時間を与えてくれるはずです。
日本酒とともに、和らぎ水の種類や味わいにこだわってみるのもおすすめです。