感染症予防のために、効果的だといわれる「うがい」。
大人から子どもまで手軽にできる行動だからこそ、その効用を知り正しく活用するのがおすすめです。

今回はうがいの効果や正しい実践方法まで、気になる情報をまとめます。

うがいで得られる3つの効果

私たち人間にとって、喉は重要な意味を持つ器官です。うがいをすれば、そんな喉に直接アプローチできるでしょう。
具体的にどのような効果が得られるのか、3つのポイントでご紹介します。

1.洗浄効果

うがいで得られる効果、1つ目は物理的に汚れを除去する効果です。
体に付着した汚れをシャワーで洗い流すように、喉に付着した汚れはうがいによって洗浄できます。

喉に付着する汚れとしては、埃やウイルス、菌などが挙げられるでしょう。
喉のイガイガ感や痛みを軽減するほか、ウイルスや菌を原因とする感染症の予防効果が期待できます。

2.防御機能の向上効果

うがいがもたらす効果は、洗浄だけではありません。
喉の細胞や粘膜に働きかけて、防御機能を高める効果も期待できるといわれています。

うがいによって適度な刺激を与えると、喉の血行を促進し、粘液の分泌を促進します。
また、うがいで水分をもたらすことで、乾燥を防ぎ細胞へのダメージを軽減してくれるでしょう。
人間の喉には、侵入した異物を体外へと排出するための仕組みが備わっていますが、乾燥するとその効果は弱まってしまいます。
うがいで粘液分泌を促し、乾燥を防ぐことで、本来持っている防御機能を高められると考えられます。

3.殺菌・消毒効果

うがい薬を使った場合に期待できるのが、殺菌・消毒効果です。
喉や口の中に付着したウイルスや菌を効率よく退治できるため、感染症予防につながるでしょう。

また、口腔内の菌は、口臭や虫歯といったトラブルの原因にもなります。
うがい薬で殺菌・消毒できれば、これらの問題を予防する効果も期待できます。

うがいの正しい実践方法

うがいの効果を高めるためにも、正しい方法で実践しましょう。まずはうがいをするタイミングについて、見直してみてください。

うがいは、ただ回数をこなせば良いというわけではありません。過剰に繰り返すことで、喉にダメージを与えてしまう可能性も。
起床時と食事の前、帰宅後や喉の乾燥が気になるタイミングに実践してみてください。
家族や身近な人が風邪を引いているときには、もう少しこまめに実践するのもおすすめです。

うがいをする際には、まずは一度、口の中を洗い流しましょう。口腔内でぶくぶくさせるように水を動かし、そのまま吐き出します。
喉の奥まで水を移動させ、ガラガラさせるのはそのあとです。
ガラガラする際には上を向き、「あー」や「おー」と発生しながら洗浄すると良いでしょう。
10~15秒ほどうがいしたあとに水を吐き出し、2~3回繰り返してください。

うがい薬を使用する場合は、用法用量を守って使用することが大切です。
「濃度が高い=効果が高い」というわけではないため、説明に沿って正しく活用するようにしましょう。

また、うがいをしたくても、状況によっては不可能な場面もあるはずです。
このような場合、水や緑茶を飲んで喉を潤すだけでも一定の効果が期待できます。
水分が喉を通過するだけでも一定の洗浄効果は得られますし、乾燥も予防できるでしょう。
なお緑茶に含まれるカテキンには殺菌効果があるとされており、喉のトラブルを予防できます。

うがいをする際の注意点3つ

最後に、うがいをする際の注意点について解説します。3つのポイントを紹介するので、こちらもぜひチェックしてみてください。

うがいの前には手洗いが必須

うがいの効果を高めるためには、手洗いとセットで取り組むのがおすすめです。特に外出から帰宅したあとは、先に手洗いをした上で、うがいをしてみてください。
手にはさまざまな菌やウイルス、汚れが付着しています。
手洗いをしないままうがいをすると、これらの汚れがうがいを通じて体内に侵入する可能性も。
特にコップではなく、自身の手を使ってうがいをする場合、注意が必要です。

うがいの前には、石鹸で丁寧に手洗いするようにしましょう。
「手洗いからのうがい」を帰宅後の習慣にすれば、感染症予防効果も高まります。

すべての感染症を予防できるわけではない

うがいにはさまざまな効果が期待できますが、残念ながら万能ではありません。うがいを習慣化しても、すべての感染症を防げるわけではないのです。
たとえばインフルエンザウイルスの場合、粘膜に付着してからわずか数十分で体内に侵入するといわれています。
うがいでウイルスを洗い流そうとしても、すでに手遅れである可能性も高いのです。

感染症を予防するためには、うがい以外の対策も併用しましょう。免疫力の向上や十分な休養の確保なども、ぜひ意識してみてください。

うがい薬の取り扱いは慎重に

うがいをより効果的にしてくれるうがい薬ですが、取り扱いには注意が必要です。
ポピドンヨードが配合されているうがい薬は、自身の体質や患っている病によっては使用できない可能性も。
不安がある場合には、主治医に相談してみてください。

うがいの効果を知って有効活用を!

うがいの効果を知って有効活用を
誰でも手軽に実践できるうがいですが、さまざまなトラブルを予防するために効果的です。感染症や口腔内トラブルを予防したい場面では、特に効果的と言えるでしょう。
正しい方法で実践して、その効果を実感してみてください。